月草雑記帳

竹華


竹華「復讐」『時を


今日は運動しました!勉強しました!おまけに捏造まで書きました!完璧!!
…明日からダレそうだ…(ええー)


ていうか今日はね、ね、朝からむっちゃテンション高かったんですよ。
何て言ったって…「ダブルシンケンレッド」を拝めましたから!!
超素敵だった~vvv殿と姫じゃないのはわかってるけど…良かった…ボス&スワンさんも嬉しかったけど!あとウイングス!ああいうの良いよね!!


というわけで。
久々の真剣分(あれ、先週は?)(先週もテンションあがったなあ声に)にトキメキのままに、久々の「竹華」更新でございます。
今回はsinさんよりリクエスト頂いた、角笛山に住んでいるあの御方たちの物語。
まあ例によってリクエストとはかーなーり違う物語になってしまいましたが…いつもの事ですすみません。
そしてむちゃ長くなりつつある…3部構成になる予定です。
とりあえず!
興味のある方のみどうぞ~。


…次の更新はいつになるんだろう(苦笑)。







竹華「復讐」『時を





 その場所に来たのは、これが初めてだった。
 ずっとお邪魔するべきだと、見てみたいと思っていたその場所は、無残に焼け落ち、最早原形をとどめてはいなかった。
「…。」
 あまりの惨状に声を失い、私は俯いて唇を噛んだ。
「…行くぞ。」
 父親に促され、私は焼香を済ませる。
 『故人の生前の意思に従って』行われている無名の小さな葬儀。
 そこではかつて『黒子』という職業に就いていた者たちが眠っていた。
 私の先輩も、その一人だった。
 この葬儀は、最後の最後まで屋敷に残り、外道衆と戦ったというその証でもある。
 …それはおそらく彼が望んだこと。
 だが、それでも。
「生きていてほしかったです…先輩…。」
 小さく呟いて唇を噛む。
 ここで涙を流す事は許されない。外道衆の復活を阻む為にも。
「…帰るぞ。」
 父親はすっと歩き出す。呆気ないほど表情は変わらない。
「…親父、先に帰っといてくれ。」
 眉をひそめた父親に、無理矢理笑って見せた。
「片付け、少しでも手伝いたいんだ。」
「…夕食までには戻れ。」
 そういうと父親はさっさと歩きだす。
 私はしばらくその場にいたあと、何かできることはないかと、黒い面を被った人間に尋ねた。
 そこでしばらく掃除やら片付けやらを手伝い、暗くならないうちにと失礼する事にした。
 黒子の一人にそれを告げると頭を下げられ、そして何かを差し出された。
「…これは?」
 受け取ったのは、焼け残ったらしい古い小さな文献。
 パラパラとめくってみる。読めない事はなさそうだ。
「…受け取っても、よろしいので?」
 私の言葉に黒子が頷く。
「ありがとうございます。」
 先輩の物など、何も残ってはいない。
 だからそれは先輩の形見としていただいておくことにした。


「あなた。」
「ん?」
 夕食を終え、自室で文献を開いていた私に、妻が何かを差し出した。
「これ…お義父さんが、渡しておいてくれって。」
「?ああ、ありがとう。」
 受け取ったのは古い箱だった。
 開けてみると、カビ臭いにおいが鼻につく。
「…これは…」
 そこに入っていたのは、大学時代のアルバムだった。
 写っているのは私や妻、それから…
「懐かしいわね。」
 覗き込んでいた妻がそれだけ言うと黙り込んだ。写っていたのは、まさに今日葬儀に出た先輩と、その奥方だった。
 先輩の奥方は、数ヶ月前に亡くなった。
 先日先輩がその後を追った。仲の良い夫婦だったから、きっと今頃手を取り合っているだろう。
 そんなしょうもないような慰めを考えていると、妻が口を開いた。
「そういえば…どうなったのかしら、あの、息子さんは。」
 そう言われて思い出した。先輩夫婦のところには一人息子がいたはずだ。
 名前はなんと言ったか…奥方の葬儀の時には、7つか8つになったと言っていた。
「先輩は屋敷に住み込んでいたから…おそらく一緒に住んでいたんじゃないかな。」
「そう…じゃあ、お父さんと一緒にいったのね。」
 気付かなかった。では先輩は、息子を守りきることはできなかったのか。
「さぞ…心残りだったでしょうね。」
 妻の声に頷く。もしもその子だけでも生きていてくれれば、少しでも先輩に恩返しができたかもしれないのに。
「何も返せないうちに、逝ってしまうなんて…。」
 先輩は大学時代から、私にとてもよくしてくれた。
 遠い遠い親戚だというだけで、時には夕食を御馳走してくれた。
 時には悩みを聞いてもらった。
 そしていろいろな面で、援助をしてもらった。
 目立つ人ではなかったが、いつも優しく微笑んで、誰からも好かれる人だった。
 「縁の下の力持ち」という言葉がよく似合う人で、黒子になったと聞いた時は妙に納得してしまう…そんな人だった。
 改めて涙がこぼれそうになる。
 どうして真っ先に逃げ出さなかったかなんて、考えなくてもわかる。先輩は、そういう人だった。それでも。
「…もう、寝ましょう。お風呂の支度できてるかしら。」
 そういうと妻は足早に部屋から出ていった。
 私はしばらくそのアルバムをめくっていたが、やがてアルバムを閉じた。
「…風呂、入るか。」
 そう呟いて立ち上がる。アルバムと文献を本棚に仕舞い、部屋を出た。
「そうだ、親父に礼を…」
 そう思ったが、やめておいた。
 もしかしたら父親も、今日の葬儀で何か思う事が有ったのかもしれない。


 その夜、夢を見た。
 そう遠くない昔の夢。
 先輩の奥方の葬儀の時の夢。
 先輩は、まっすぐに私の目を見て、言った。
『牛折神を、使えるようにしてほしい。』
 それがどういう意味だったのか。
 ただの希望か。
 それとも殿様からの命令か。
 今となってはもう…それを聞く相手もいない。
 だが、目が覚めてからも先輩のまっすぐな瞳が私を射ぬく。
 そして、昨日いただいた形見分けに記されていたのは「モヂカラの制御について」。
 先輩の意思を知る誰かが、私にこれを?
 渡してくれた相手すらわからない今、それすらも問う事は出来ない。
 でも。
 牛折神を制御することが、先輩の想いを後世に伝える、唯一で最後の手段かもしれない。
 そう思ってしまった私を、止めるものなど、いなかった。
 先輩の意思を、この世にとどめておくために。
 我が家に代々伝わる力を解放するために。
 強大な力を制御してみせよう。
 暴れ牛を乗りこなす、王様のように。

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