月草雑記帳

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創作文章(その他)


七夕っぽいど!


こんにちは七夕!
というわけで(どういうわけで?)今回の七夕企画はなんと!


VOCALOIDを使った!
「番凩」という名曲の!
妄想から生まれ!
「曇天、虹色地平線」とのコラボを経た!
………何次創作なの?これ。なんかここまで来ればほぼオリジナルなんだけど。
まぁサクッと説明するなら「「虹色凩」」と同じようなやつ…かな?
今回もVOCALOIDキャラを勝手に捏造しました。虹色書いた時にかなりかっちりキャラとか設定考えてたから家から大学までの間に書き上がったぜ!つまりはそんなクオリティ。
あ、NANさんに舞台を借りる許可は取ったぜ!そこは安心。


ま、固有名詞出さないし、良かったらオリジナルだと思って見てやってください。


七夕好きだーー!









『星空凩』


 風の音が止んだ。
 辺りは静寂を取り戻し、闇が木々を溶かす。
 身の丈よりも大きな岩の下に立ち、刀を下ろすと、女性は小さく息をついた。
 先程まで風に靡いていた桃色の髪は今は静まり、星の光が白い肌をうつしている。
「…お願いします。」
 女性が手に持った真っ黒な刀を差し出すと、気配なく傍に控えていた男性がそれを受け取った。
 頭の上でまとめた薄紫の髪を揺らし、男性は静かに口を開いた。
「此処にいろ。」
 女性の返事を待つことなく、男性は女性に背を向け、歩き出した。
 女性はそれを見送り、岩の登りやすい部分を探し、三歩で岩に飛び乗った。
 岩に座り、空を見上げ、女性は小さく呟いた。
「もう…何年経つのか…」
 女性は静かに思い出す。あの、運命が変わった刻のことを。


 とある里が滅びたのは、彼女が8才の時だった。同じ使命を持っていた里から来た剣士。彼はそのうちの一人だった。少年から青年へと移ろうとしている彼の暗い瞳が、どうしても気になった。
 突然与えられた使命の為、彼女は一生懸命だった。自分がきちんと使命を果たせば、皆はきっと笑ってくれると信じていた。そして、彼女は知った。彼女の存在そのものもまた、彼の瞳を暗く鈍らせる一因なのだと。
 数年間、ずっと二人で旅をしているが、彼は一度も笑わなかった。まるで、自ら感情を持つことを封じたような彼を、ただ見ていることしか出来なかった。


 そして今、終わりの刻を知った。


 出来ることなら、この終わりを告げたくない。まだ、旅を続けていたい。彼の隣に立てるのは、この旅の時だけかもしれないのに―――
 それなのに、彼女の使命が、彼の使命が、真実を告げろと訴える。
 嗚呼、そうよ。
 この使命の為に私たちは出逢い、この使命の為に私たちは共に生きた。
 だから、この使命を果たす刻が、別れを示すことに不思議はない。
 彼女は小さく口を開き、静かに唇を動かした。


 刀を右手で掴み、その右手を左手で掴み、彼は立ち尽くしていた。
 女性の手の甲に見えた黒い痣が、女性から受け取った黒い刀が、闇となって彼を襲った。
 初めて見たときは―――
 そう、この黒を初めて見たときは、こんな気持ちにはならなかった。


 彼女の痣を初めて見たのは、物心ついてすぐだった。いつもはめていた手袋を外し、内緒だよ、と笑った彼女の綺麗な笑顔を思い出す。
 彼女とは、ずっと一緒だった。異なる立場で同じ使命を追った。いつか大きくなったら互いに互いを支えようと、幼いながらに誓いを立てた。


 そして誓いは破られた。


 彼は新たな使命を得た。その先で出逢ったヒトは、どうしようもなく彼の心を揺すった。
 その黒い痣を見る度に。その唄声を聞く度に。彼女との記憶が蘇り、狂おしいほどに胸が痛む。そのヒトに悪気がないとは知りながら…いや、悪気がないからこそ辛かった。
 彼女と同じ痣を持ち、彼女と同じ唄を歌う、彼女と同じ立場の、他人。
 嗚呼、そうだ。
 あの使命の為に私たちは出逢い、あの使命の為に私たちは共に生きた。
 そして、あの使命を果たす為に、私たちは別れ永遠に出逢うことはないのだ。
 今もまた、使命に縛られる自分が小さく思え、彼は刀を一振りして鞘へと戻した。
 女性を待たせている場所へと向かうと、微かに唄声が聞こえた。


 彼女は歌っていた。
 緑に囲まれた岩の上で、風に桃色の髪を揺らし、瞳を閉じ、白くしなやかな四肢を満天の星空に光らせて。
 彼女は静かに歌っていた。


 彼は静かに岩の下に立つと、一跳びで岩の上に降り立った。彼女が驚いて目を開く。彼を認めると、その水色の瞳が優しく笑った。


「おかえりなさい。」


 黄金と桃色を同時に見た気がして、彼は視線をそらした。
 認めたくは、なかった。
 彼は彼女に背を向け、岩の上に座った。
 戸惑っているらしい彼女に向けて、小さく呟く。
「歌ってくれ。」
 彼女は声を聞き取ると、先程と同じように静かな歌を紡ぎ始めた。
 岩の上の二人を見守るのは、黄金に輝く満天の星空。
 緩やかに、静かに、ゆっくりと。二人の時は流れて行く。













ーーーーー
?あとがき!
訳わかんなくてすみません。色々裏設定はあるんですが、あんまり語るのも野暮ですから!我慢します。
織姫と彦星が「遠く離れた恋人」ならこの二人は「近くにいるはずなのに遠い、隣にいるはずなのに辛い」かな?なんてとある名曲をパクってみたり。とりあえず、こういう控えめな恋愛ものが私は大好きです。

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