月草雑記帳

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侍戦隊捏造文章


七夕真剣2013!


こんばんはリオンです。滑り込み間に合った!


今年もやってきました七夕!
何を書こうか考えてたんですが、「そういや七夕ネタって書いたことないんじゃね?」と思いついたのでシンケンジャーの七夕ネタに挑戦しました!
多分初めてだと思うんだ…でんおーばっかり書いてたから…
で、気合入っちゃって・・・むっちゃ大変でした。


どんなお話かと言いますと、「侍戦隊未来捏造」の「過去捏造」となっております。
「竹華」に分類してもよかったかも。でも一応オリキャラ出してないから…いいかなって…
小さいメンバーが出てきます。過去のお話なので源太の出番はない。ごめんね。
一応「これくらい」の時代というのは考えてあるんですが、詳しく書くと後悔することになりそうなのでやめときます。15年くらい前かなあ?
あ、最終回までのネタバレ含みます。しょうがない。


いろいろ頑張りましたので、興味のある方のみご覧くださいませ。
タイトルはそのまんまにしましたよ!









「五色七夕」


「なあ父さん」
「どうした?千明」
「これって七夕なのか?」
 山深い場所を歩きながら、千明は父親に尋ねた。
「そうだぞ?」
「だって、他の家のと違う…」
「これが正しい七夕だ。はるか昔から伝わる、な」
「…めんどくせー」
 呟いた千明に父親は大袈裟にため息をついた。
「まったく、こんなこともできないのか」
「は?できるし!馬鹿言うな!」
 父親を抜かして歩き始めた千明に、父親は苦笑する。
「あ!あった!父さん、アレだろ?」
「お、よくわかったな」
「毎年採ってるんだから当たり前だろ!さっさと採って帰ろうぜ」
「そうするか」
 不思議な形をした葉っぱを一枚つかみ、木の付け根から切り取る。
 持ってきた袋がいっぱいになるまで、親子の作業は続いた。
「なあ父さん」
「なんだよ息子」
「毎年思うんだけど…これ多すぎねえ?」
「うちの分だけじゃないからな…」
「どこに送ってるんだよ?こんなどこにでもありそうな葉っぱ」
「それが谷家の役目だからな…ま、お前も大きくなればわかるさ」
「わかんねーと思うけどな」
 きゅ、と袋の口を縛ると、千明はさっさと歩き始めた。
「まったく、図体だけ立派になりやがって」
 そう呟くと父親は袋を担ぎ、ゆっくりと千明の後を追った。



「茉子。落とすんじゃないよ」
「はい」
 ずっしりと重い箱を机にそっと置くと、茉子は丁寧にその箱を開けた。
「…一年ぶりだね」
「はい」
 中に入っていたのは、傷つかないよう真綿で包まれた五つの文鎮。
 透き通るような硝子細工で手のひらに乗る大きさ、というところは同じだが、色と形がそれぞれ異なっている。
 一つは五角形で、燃えるような赤色。
 一つは六角形で、流れるような青色。
 一つは円形で、香るような桃色。
 一つは四角形で、伸びるような緑色。
 一つは三角形で、包むような黄色。
 一つ一つに傷がないか確かめると、祖母は静かに座る。
「それじゃ、磨くとするかね。茉子、準備は大丈夫かい?」
「はい、おばあ様」
「割るんじゃないよ」
「はい」
 一つ一つ丁寧に磨き始めた茉子をちらりと見ながら、祖母の思考は箱の奥へと沈んだ。
 五つの文鎮が収められた箱の底の、さらに下に少しだけスペースがある。
 そのスペースに隠されている、もう一つの文鎮。
「…まだ、早い」
「…おばあ様?」
 手を止めた茉子になんでもないと告げ、祖母はまた真剣に磨き始めた茉子をじっと見つめた。
「…モヂカラを込めることを忘れるんじゃないよ」
「はい」
 静かな時間の中、文鎮は日を通して輝いていた。


「お姉ちゃん、何しとるん?」
 襖の隙間からのぞいている妹を見て、みつばは微笑んだ。
「硯を洗っとったんよ」
「すずり?」
「字を書くときにことはも使うやろぅ?」
「うん。でもことは、ちゃんと毎日あらってるで?」
 不安そうな妹に、みつばは笑いかけた。
「せやなぁ。これはことはのと違うんよ」
「誰のすずりなん?」
「これはなぁ…お殿様の硯や」
「おとのさま?お殿様、硯洗わはらへんかったん?」
「ちゃう、ちゃう」
 みつばは洗ったばかりの硯を撫でると、小さく言った。
「お殿様の硯を洗うんわなぁ…花織の役目なんや」
「…なんで?」
「そのうちわかるわ。それに正しくは洗う、言うよりも磨く、いう感じやしな」
「みがく?」
「そう。そのうちことはにもやってもらうで?」
「うん!…お姉ちゃん、お殿様、硯六つも持ってはるん?」
「…ううん、お殿様の分はこれだけ。あとはシンケンジャーの家に一つずつ」
「ふぅん。あ、これうちの分やんな!」
 硯の一つを指しながらニコニコ笑う妹に笑いかけながら、みつばは内心安堵の息をついた。
「乾いたら、一緒に送ろうな」
「うん!」
 六つの硯を前に、姉妹はニコニコ笑いあった。


「お父さん。これで良いでしょうか?」
 流ノ介が芋の葉で作られた器を見せる。中には透明な滴が半分ほど入っていた。
「ああ。その調子で集めるように」
「はい」
 そっと器の中身を漆器に移すと、流ノ介は庭に下りて行った。
 向かう先は、この日の為に植えられている芋の葉に溜まる露。
 わずかな露で墨を磨れるほどの水を集めるのは気の遠くなるような作業だが、流ノ介を含む池波の家では、朝から人員総出でその作業が行われていた。
 用意された五つの漆器に少しずつ水が蓄えられていく。その旅に池波家当主は、こっそりと、中の水を別の容器に移していた。
 五つの容器とは別に用意された、六つ目の器。
 そこにも他の五つと同じように、水が蓄えられていく。
「…流ノ介。そろそろ次の作業に入る。ひと段落したら戻りなさい」
 よく通る父親の声を聴いて、流ノ介は「はい」と返事をした。
 志葉家をはじめとするシンケンジャーの一族に一つずつ送られる水に、モヂカラを込める。それが流ノ介に与えられたもう一つの使命。
 この日の為に練習してきた流ノ介は、生唾を飲んでくんだばかりの水を見た。
 無色透明の水を見ていると、気持ちが落ち着く。
「…我が殿と、仲間の為に」
 そう呟くと、流ノ介は水が零れないよう気を付けて、五つの漆器の元へと歩き出した。


「殿。準備が整いました」
「ああ」
 彦馬に先導され、普段は使わない狭い部屋に入る。
 そこに並べられたもの。
 光るように磨かれた漆黒の硯。
 新鮮でみずみずしい梶の葉。
 透明に燃える文鎮。
 天の川から来たかのような露の水。
 そして、志葉の家に伝わる筆と墨。
 一番奥に置かれているのは、黒い紙に包まれた平らなもの。
「…あの御方は午前のうちに、滞りなく済まされたということです」
 小さくつぶやき頭を下げると、彦馬は部屋から出て襖を閉めた。
 シンケンジャーを務める家に課せられた七夕の儀式。
 それぞれの家から集められたモヂカラを使って書かれる、古から伝わる歌。
 一行目は谷が、二行目は白石が。
 三行目は花織が、四行目は池波が。
 そして最後の一行は志葉が。
 それぞれ書き納めることになっていた。
 去年までは丈瑠が五行目を書いていたが、本来の当主である薫の成長に伴い、その役目を返すことにした。
 だから本当は、今年丈瑠が書くべきことなど何もない。
 それでもこうして去年までのような部屋を、材料を用意してくれた家臣達の心遣いが、嬉しくて仕方がなかった。
 初めて見るまっさらな梶の葉に、何を書こうかと思案する。
 ずっと考えていたが、やはりあの歌以外、書くべき言葉など思いつかない。
 丈瑠は硯に水を垂らし、ゆっくりと丁寧に墨をすった。
 梶の葉の上に赤い文鎮を置き、筆に墨を含ませる。
 少しだけ息を吸って、丈瑠はモヂカラを込めて筆を動かした。








「音に聞く

 数多涙す

 人の世に

 見ずともあるは

 我らが思ひ」




ーーーーーーー
あとがき
最後の和歌に1時間以上かけました(実話)。
和歌の知識なんてないのに詠もうなんて思うんじゃなかった。反省。
でもその分むっちゃがんばったんですよ!
自分から種明かしするの相当恥ずかしいので今はしませんけど(聞かれたら答える気満々)、どの家が何行目かっていうのが大事だということだけ書かせてくださいね。
お分かりの方はお分かりでしょうが、「芋の葉の露で梶の葉に和歌を書く」という日本の風習を参考にしました。こんな風流なことやったことないけど。
和歌についてとか、道具についてとか、詳しい方は笑っておいてください…素人ですみません。

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~ Comment ~

久しぶりのシンケンだぁ! 

 リオンさんお久しぶりです!
久しぶりにサイトにお邪魔したら新作!しかもシンケン~!!
楽しく読ませていただきました。

 先代からさりげなく用意されている6つめがいいですね!(^^)!
来年は一件落着後ですか?
源太の分も加わった話も読んでみたいです(^^ゞ

 梅雨明け以降急に暑くなってきました九州地方。
リオンさんも体調崩されないよう熱中症にはお気を付けください。
ではでは。捏造劇場:暁 

暁さんへ 

コメントありがとうございます。変身・・・違う!返信がまた遅れてしまいました。すみません。

本当に久しぶりの真剣です。前にあげたものはなんと約1年前…これには自分でびっくりしました。どれだけさぼっていたのか・・・
そうですね、来年かどうかはわかりませんが、未来編にも登場させたいエピソードです。
こちらも大変暑いです。夏に向けて体調は急降下中…
生き延びれるように頑張ります~
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