月草雑記帳

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伝謳交響曲


第一楽章「めざせTMホール」1話


ようやく公開することができました!
電王の未来捏造!
とはいっても、現時点では過去なんですけどねこの話。


さて、前振りをしまくると怒られそうなので、とりあえずいきなり本編(?)にバトンタッチです。
第一楽章ですので基本はイマジンとその周りしか出てきませんが、よろしければどうぞでございます!


さて…これからカテゴリとか目次とかしっかり作らないとですね。
…ていうかこれ、書ききれるかな…量が半端ないからな…!


しつこいようですが、何かリクエストなどありましたら教えてくださいね!
では、興味のある方のみどうぞ。







『めざせTMホール』1話


「で、本気なのね?そ、れ」
 ハナは大きくため息をつき、それからはっきりと言った。
「馬鹿じゃないの?」
「うるせえハナくそ女!」
「馬鹿じゃないの?」
「二回も言うんじゃねえ!」
「モモタロスのばーか」
「小僧!てめえは関係ねえだろうが!」
 デンライナーの片隅。正座したイマジン4体を前に、ハナは頭を振った。
「何をどう考えたらそうなるのよ」
「いや…だからよぅ…良太郎にあんま迷惑かけられねえよなって」
「だからってそんなところに着地するの?あんた達って本当、イマジンよね」
「ま、イマジンだよね、確かに」
 ウラタロスが頷く。キンタロスも大きく頷いた。
「せやなあ。でも、これは本気の提案やで、ハナ」
「わかってるわよ。だからこそあきれてるんじゃない。あんた達、本気でそんなことできると思ってるの?」
「当ったり前だろ!?」
「馬鹿じゃないの?」
 三度目のセリフを繰り返して、ハナはイマジン達をぐるりと見渡した。
「…しょうがないから、話してみなさいよ。なんでそんなことになったのか」
 イマジンたちは顔を見合わせる。
「じゃあ、代表して僕が話させてもらうよ?」
 ウラタロスの言葉に、ハナは形の良い眉をひそめたまま頷いた。


 ことの始まりは、数時間前のターミナル。
「ねえねえ、良太郎、いつ元に戻るのかな?」
 リュウタがポツリといった言葉に、僕は肩をすくめた。
「さあねえ…オーナーは時間の歪みの影響だって言ってたけど」
「なんかあったか?時間が歪むような事件」
「強いてあげるなら幸太郎やテンちゃんと会ったこと…とか?」
「じゃあ、アイツ等の所為で良太郎、小っちゃくなっちゃったの?」
「それにしては遅すぎるんやないか?小さくなるんが」
「わからないよ?ハナさんだって未来が変わってからずいぶん経ってたじゃない。小さくなったの」
「ごちゃごちゃ考えててもしょうがねえ。この先はあんまり簡単に良太郎に憑依できねえんだ」
 それまで黙ってた先輩の言葉に、僕たちも同意した。
「小さい分、体力も減ってそうだもんね」
「自分で稼ぐっちゅうの、本格的にやったほうがよさそうやな」
「でもさー、結局どうやったら稼げるの?刑事も追い出されちゃったし」
「基本的には需要が何かを知ること、だよね」
「ジュース?」
 首を傾げた先輩に大きくため息をついてから、僕は言った。
「ジュースじゃなくて需要。人々が何を求めているのかってコト。僕らの場合はターミナルで稼ぐしかないんだから、ターミナルにいる人が何を求めているのかを調べなくちゃ」
 というわけで暇そうにしていた人たちに憑依させてもらった僕らは手分けして、ターミナルにいる人にインタビューすることにした。イマジンの姿だと目立つからね。
 僕はターミナルにあるオシャレなカフェに行ったんだ。


「また関係ない人に迷惑かけて…しかもどうせ若い女の子目当てでしょ?」
 話を聞いていたハナが口をはさむ。ウラタロスは肩をすくめた。
「ま、ね。どうせならかわいい女の子たちの為に働きたいじゃない」
「…で?どうだったの?」
「…時間旅行の途中の女の子たちは、ターミナル観光にも飽きてきたし、何か面白いものがあったらいいって言ってた。時間が潰せるようなゲームとかね」
「ふぅん。で、他の人は?なんて言ってたのよ?」
「…流石はハナさん。鋭いね」
 ウラタロスは少しだけ目線をあげて、呟いた。
「なんにも答えてくれなかったんだよね」
「え?」
「なんだか虚ろな目をしてさ。『別に』って言ってた。それだけ」
「俺の方もそうや」
 黙っていたキンタロスがハナを見る。
「なんや暇そうにしとる奴らに聞いたんや。でも、なんも要らんっちゅうとった」
「僕が聞いた子たちも、欲しいものなんかないって言ってたよ。黒い髪した男の子なんて、なんにも答えてくれずにぼやーっとした目で僕見てたし」
「あいつら…なんか、死人みてえだった」
 モモタロスの言葉に、ハナはじろりとモモタロスをにらむ。
「モモ」
「わかってるよ。でもよ、あいつら…本当に生きてるのかよ」
 興味なさそうに急ぎ足で歩く人々。
 何に目をとめるでもなく。何を聞くでもなく。
 それでいて何処へ行くでもなく。
 ただ、うつろな瞳で日々を、過ごして行く。
「あれが本当に、生きてる人間なのかよ?」
「だから、僕が言い出したんだよ」
 リュウタロスが立ち上がり、くるりと回ってから指を銃の形にして「ばぁん」と撃つフリをして、笑う。
「みんなでアイドルやろうよって」


「ねえねえ、アイドルやろうよ!」
「は?」
「え?」
「ん?」
 全員が憑依を解き、インタビューの結果を話していた最中、リュウタロスがいきなりそういった。
「だってカメちゃん前に言ってたじゃん!『女の子をイキイキと輝かせるのは、何よりも恋のときめきだよ』って!だったらアイドルになったらいいじゃん!」
「…いや、小僧。ちょーーーっとマテ。なんかおかしくねえか?だいたい、アイドルってなんだ」
「アイドルっちゅうたらあれやろ。じゃn」
「ああああああ!!キンちゃんそれ以上言わないで!なんとなくだけど!」
「いいじゃん、やろうよ。僕、歌上手だし。ダンスだって踊れるよ」
「…まあそれは確かにね。でもみんながそうってわけじゃないし」
「それは馬鹿みたいに腰ふるダンスしかできねえお前のことだよなカメ公」
「演奏途中でギター壊しちゃう先輩のことなんだけど?」
 モモタロスとウラタロスが無言でにらみ合う。
「しかし、ええ案かもしれへんで、リュウタ」
「え、キンちゃんまで乗っちゃうの?」
「覚えとるか?俺らはイマジンや。そう簡単に信用されるわけがあれへん。それでも今まで歌うてきた歌は、ちゃんっと誰かの心に届いとったと思わんか?」
 キンタロスの言葉に、全員がしばらく静かになる。
「俺らの魂を誰かに届ける。それが仕事になって、さらに誰かを助けられるんやったら…アイドルっちゅうのはええ案やと思わんか?」
 は、とモモタロスが笑う。
「クマもたまにはまともな事いうじゃねえか」
「そういうのもアリかも、ね。女の子にますますモテちゃうのは間違いないし」
「僕、お仕事で踊れるの?わーいやったー!」
「躍るだけやったらあかんでリュウタ。厳しい世界なんや」
 それでも、とモモタロスが不敵に腕を組む。
「面白そうじゃねえか」
 その言葉に全員が頷いた。
「僕たちが良太郎に教わった事を、今度は僕たちが皆に教える番、だよね」
「難しいやろうけど、俺らやったらなんとかなるやろ!」
「楽しい方がいいに決まってるよ!答えは聞かない!」
「ここにいるやつらに、生きるってことを教えてやろうぜ!」
 おう、と4体の声が重なる。周りの人々が驚いて警備員を呼んだため、イマジン達は危うく逮捕されそうになるところを、なんとかデンライナーに戻ってきたのだった。


「…なるほどね。だいたい事情は分かったわ」
 けど、とハナがまたため息をつく。
「なんか適当過ぎない?」
「いいじゃねえかよ!じゃあハナくそ女、他になんかあんのか?ああ?」
「なんであたしがあんた達の仕事を探さなくちゃいけないのよ!」
「まあまあ。とにかく、ちょっとやらせてみてくれないかな?」
 ウラタロスが中に入る。ハナはじろっと4体をにらむと、呟いた。
「…好きにしなさいよ。でも、あんまりにもむちゃくちゃなことしだしたら、あたしが止めるからね」
「おう!」
「了解」
「心得とるで」
「はーい!ありがとうハナちゃん!」
 意気揚々と楽器の手入れを始めるイマジン達を見て、ハナは小さくため息をついた。




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