月草雑記帳

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伝謳交響曲


第二楽章「譲れない想い」1話


今日はバレンタインデー!
ですが、大雪です。
私は正規の仕事が雪で中止になってしまいました。
というわけで雪かきしたり雪の中荷物を運ぶというボランティア精神を発揮しておりました。疲れた。
おかしいな、時間ができたからいっぱい捏造書こうと思っていたのに。


というわけで頑張って第二楽章を更新します!
第一楽章終わってませんけど気にしません。
そしてバレンタインなのに内容がちょっと…ですが気にしません。しないでください!


では。
ゼロノスに焦点を当てた第二楽章のひとつめ。
興味のある方はどうぞ。






第二楽章「譲れない想い」1話


侑斗が差し出した封筒を、愛理は戸惑いながらも受け取った。
A4サイズの大きな封筒の真ん中にでかでかと印刷されていたのは、ゴシック体の文字列。
「大学…?」
「4月から行くんだ。中に合格通知が入ってる」
そっと中を確認する。桜井侑斗、合格という単語を確認して、愛理は封筒を侑斗に返した。
「どうして?」
「ずっと、考えてた。でもやっぱり俺は…」
一度口を閉じると、侑斗はジッと愛理を見た。
「絶対に諦めないから。アイツとは違う未来を造る。だから…」
だから、と侑斗はもう一度呟いた。
「今の俺を見ていて」
愛理の目をしっかりと見つめてから、侑斗は封筒を持って店を出た。カウンターには飲み終わった珈琲カップと随分減った砂糖、そしてブレンド珈琲代が残されていた。


「ただいま」
「あ、良太郎。お帰りなさい」
「姉さん、業者さん来た?」
「ええ。あのね、雨漏りだけじゃなくてアチコチ寿命が来てるんですって。だから、建物ごとリフォームした方がって勧められちゃった」
 カウンターの上で様々なパンフレットを広げて、愛理は小首を傾げた。
「でもやっぱり思い入れもあるのよね…」
「そうだね」
 カウンターの椅子に座り、良太郎はパンフレットを手に取った。
「いろいろな業者さんに聞いてみないといけないわね」
「うん。あ、姉さん、侑斗の話聞いた?」
「大学に行くっていうお話?」
「そう」
「聞いたわ。有名な大学だったわね、桜井君、賢いのね」
 にこ、と微笑みすぐにパンフレットに視線を戻した愛理を見て、良太郎は小さく眉をひそめた。
「それだけ?」
「何が?」
「ううん、別に…」
「そう?あ、そう、良太郎。改装なんだけどね。昔ちょっと考えたことがあったの」
「え?そうだったの?」
「ええ。それでその時言ってたんだけど…」
 誰と言ってたの?
 その言葉を飲み込んで、良太郎は愛理の話を聞いていた。
「じゃあ、良太郎。考えておいてね」
「わかった」
 大きな封筒にパンフレットをすべて入れると、愛理はそれをカウンターについている引き出しにしまう。
 その奥に仕舞われているA4の封筒に、視線を向けることはなかった。


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