月草雑記帳

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伝謳交響曲


第二楽章「譲れない想い」2話


こんにちは~。
伝謳交響曲第二楽章、続きでございます。
拍手ありがとうございました!
第一楽章・第二楽章・第三楽章はメインとなる人(イマジン?)が異なっておりますので、ちょっとイレギュラーな更新となります。
一応、時間軸通りに更新するつもりなのですが。書けてない場合とかは前後するかもしれないです。
とりあえず今は2009年春のつもりで書いてます。エピソードレッドより前。
第二楽章は正直よく分からない感じだったんですが、今回のエピソードが浮かんだ瞬間パタパタっとピースがはまった感じがしてます。まだ書いてないけど、なんかいけそうです(笑)


伝謳交響曲すべてに共通するんですが、オリジナルキャラクターがわんさか出てきます。
頑張って必要最小限には抑えるつもりですが…どうなるかな。
第二楽章にも出てきます。とりあえず二人、かな?
ほどほどに付き合っていただければ幸いです。


それでは、前置きが長くなりました。
きょうみのあるかたのみどうぞ!






『譲れない想い』2話


「改装するのか?この店」
 良太郎から受け取ったビラをもって、侑斗は小さな声で尋ねた。
「うん。いろいろ考えたんだけど、なんか姉さんも途中から妙にのってきてたし」
「…ちょっと意外だな。変えたくない人かと思ってた」
 少し嬉しそうに言う侑斗に、良太郎は軽くため息をついた。
「うん…だとよかったんだけど」
「?」
「桜井君、お待たせしちゃってごめんなさいね」
 奥から紙の束を持った愛理が顔を出す。侑斗と良太郎が座るテーブル席に紙の束を置くと、ペラペラとその紙をめくり始めた。
「昔、この店を改装しようって言ってたことがあってね。その時のアイデアを思い出してみたものなの。せっかくミルクディッパーっていう名前なんだから、もっと星の事を前面に押し出したデザインにしてもいいんじゃないかなって」
 言いながら愛理は簡単に描かれた新しい店の内装のデザインを見せる。そのデザインと良太郎の表情から、侑斗は先ほどの言葉の真意を悟った。


 誰と改装しようとしていたのか。
 そして誰と共に歩むための改装なのか。


「桜井君も星の専門家になるでしょう?だから意見を聞きたくって。入学式前の忙しい時期にごめんなさいね」
「…いや、まだそんなに忙しくないから」
 何枚ものイメージ画や設計図に視線を落とす侑斗に、良太郎はまた、軽いため息をついた。


「あ、侑斗、ネクタイが曲がっているぞ?」
「…ああ」
「それから、ハンカチとティッシュは持ったか?迷ってもいいように早めに出ないといけないし…ああ!そうだ。お昼ご飯なんだけど」
「デネブ。もういいから。出るぞ」
入学式用に用意したスーツをこれ以上いじられてたまるかと、侑斗はゼロライナーの外に出る。
「侑斗ーがんばってくれー!」
 ゼロライナーから侑斗を見送って、デネブはゆっくりと手を下す。
 大学に入学するには必要だからと、侑斗は大学近くにアパートを借りた。
 もちろんどのドアからもゼロライナーには来られるが、あまりに生活感のない部屋は不自然だし勿体ない。
 だからデネブははじめ、アパートに自分も住みたいと提案した。だが、侑斗はその提案を一刀両断した。
『デネブ、お前もちょっとは自立しろ。野上のイマジン達も何か…まあ、ろくでもないことだろうけど考えてるらしいし』
『でも侑斗一人じゃ…栄養バランスも偏るし、家事だって』
『俺一人くらいなんとかなるし…』
『でもシイタケが』
『いらねえ!…代わりに、ゼロライナーはお前に任せた。未来に繋がなきゃいけない電車なんだから、頼んだ』
 その時の侑斗の真剣な瞳を思い出し、デネブはぐっとこぶしを握った。
「侑斗も頑張ってるんだ…俺も頑張るぞー!」
 おー!と両手を挙げて、デネブはいそいそと『タウンワーク~初心者歓迎!ターミナルでできるアルバイト~』を読みだした。

 
 入学式の会場には、大勢の人が集まっていた。
 自分とは生まれた『時代』が異なっている同世代の集まりに、侑斗は少しだけ、自分の手のひらに爪を立てた。
「変わるって…決めたじゃねえか」
 ぐっと前を向いて、侑斗はそのまま歩き出した。


「香子さん、お久しぶりです」
 珈琲が完成した時を見計らい、愛理は目の前の女性に微笑みかけた。
「元気そうね、愛理ちゃん」
 短い髪に青いエプロンをした小柄な女性が、満足げに手を腰に当てた。
「年賀状とかでしかやりとりしていなかったからこうして会うのは久しぶりね。ますます美人になったみたい」
「香子さんも相変わらずで、嬉しいです」
「今珈琲淹れるから。話はそれからにしましょう。もうちょっとしたら皐月も来るはずだし」
「皐月君が…」
「ええ。愛理ちゃんが来るって言ってなかったから、きっとびっくりするわよ~」
 くすくすと笑いながら、新しい珈琲豆を手に取る香子を邪魔しないように、愛理はそっと店内を見回した。
 何年か前と変わらないこの場所に、ほっと心が安らぐ。
 やはり、此処しかない。
 珈琲が入り、香子が愛理の隣に腰を下ろすと同時に、愛理は口を開いた。

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