月草雑記帳

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伝謳交響曲


第一楽章「めざせTMホール」3話


久しぶりに第一楽章の更新だよー!
イマジン達の出番でございます。


時間軸的には2009年秋に突入いたします。夏が吹っ飛んだ気がするのは十周年の所為だよ!
2話から軽く半年以上は経過しているというところに時間の恐ろしさを感じます。更新してからじゃないよ!作品内の話だよ!それでも時間が怖いよ!


余談ですが、この「めざせTMホール」というシリーズは第一楽章における本編のような、大筋のようなものでありまして。
木で説明するならば幹の部分です。
そろそろ枝の方の話も書いていきたいと思っております。枝の方をかきだすともうね、時間軸順とか言ってられなくなるんですけどね。気合いで読んでいただけると嬉しい。
何はともあれ、幹部分があと2、3話ありますので、よろしければご覧くださいませ~。





『めざせTMホール』3話


「ねえねえ、またライブやるの?」
 とある大きな戦いが終わってから少し経ったある日の事。リュウタロスの言葉に、デンライナー内の空気が凍った。
「あー…忘れてたな」
「流石先輩。脳みそ干物だね」
「誰が干物だこのカメ!てめえの方が出汁出てるじゃねえかよ!」
「まあ二人ともそう言いなや。どっちも大して変わらへんわ。それにしても、ライブか。なんや忙しゅうてすっかり忘れとったわ」
「ちょっとキンちゃんひどいなあ…ま、そろそろ活動再開してもいいかもね」
「やろうよ!僕また歌いたいな!新曲も出したんだしー、今度は大丈夫だよね」
「せやな」
「うん、そうだね」
「うし、じゃあさっそく」
「…だからアンタ達はダメなのよ」
 それまで黙って話を聞いていたハナが、小さくため息をついた。
「いい?前回の失敗からちゃんと学びなさい!前回失敗したのはなんでだと思うの?それを克服してからじゃないと、お客さんなんて来てくれるわけないじゃない」
「うわ…手厳しいこと言ってくれるよねハナさんは」
「当たり前でしょ。アンタ達が甘すぎるのよ。はい、モモ、前回の失敗の原因は!?」
「は!?あーえーっと…客が悪」
「馬鹿!お客さんの所為にしちゃダメじゃない!」
「うっせえなあ…じゃあハナくそ女!お前にはわかるのかよその原因ってのが!」
「そうね…多分、イマジンだからじゃない?見た目怖いし」
「ああ、なるほど…って、どうしようもねえじゃねえか!」
 一瞬納得したイマジン達は、それぞれに頭を抱えた。
「そうね。だからその欠点をカバーできるくらいのウリを考えなくちゃ」
「ハナちゃんひどいよー!」
「存在ごと否定してきよったな」
「まあ…その通りなんだけどね」
「とりあえず、次のライブではアンタ達の歌じゃなくて、もっとみんなが知ってるような歌を歌いなさい。そうすれば、聞いてくれる人がいるかもしれないし」
 そういうとハナはどこからともなく大量のCDを取り出した。
「…なんやこれ」
「良太郎に頼んで流行した曲を集めてもらったの。まずはこれを聞いて、歌えそうな曲を探しましょ?」
 大量のCDの真ん中でにっこりと笑ったハナに、イマジン達はただ頷くしかなかった。


「まあ、こんなところかしら?」
 大量のCDがデンライナーに持ち込まれてから一週間。
 4枚のCDを手に持ったハナの足元には、寝る間も惜しんでCDを聞き続けたイマジン達が転がっていた。
「うあ…疲れた…もうしばらくなんにも聞きたくないよ…」
「なんかもうどれがどれだかわからなくなっちゃったよ…」
「がーーーーーーっ!」
「うるせえよクマ公…だーもう、俺も寝るぜ!」
「何言ってるの。これからちゃんと練習するのよ。決まってるでしょ?歌うだけじゃなくてギターとかも練習しなきゃ」
「「「えーーーー」」」
「もう少し遊ばせてくれてもいいんじゃない?」
「ハナちゃんスパルタすぎるよー」
「ハナくそ女、てめえでやってみろ!」
 ぶーぶーと文句を言う3体を見て、ハナはにっこりと笑った。
「そ、わかったわ。じゃ、私とPDマネージャーはアンタ達のアイドルごっこから手を引かせてもらうわね。あとは好きにやんなさい?」
 くるりと後ろを向いたハナを、ウラタロスとリュウタロスが必死になって引き止める。
「ちょ、ちょっとハナさん待ってよ!冗談だって冗談!」
「ハナちゃん見捨てないで~!」
「じゃ、真面目に練習しなさい?一週間後に全曲チェックするから、それまでにマスターしてなかったら本当に降りるから!」
 そう言い残し、ハナはデンライナーの別の車両へと移っていった。
「しょうがない…やろっか、リュウタ」
「は~い。じゃあ僕の歌からね!」
「はいはい…ほら、キンちゃんも起きて。先輩も早く」
「…だーもうしょうがねえなあ」
 寝っ転がっていたモモタロスが起き上がる。
「ほら、起きろクマ公!小僧の曲からだってよ!」
「一応一通り考えてあるとはいえ、とりあえずパート分けからかな。ボーカルはリュウタでいいとして…」


「いいじゃない、じゃあ、あと一回通して終わりましょ」
 客席でにっこり笑ったハナの言葉に、ステージ上のリュウタロスはその場にひっくり返った。
「まだやるの~?僕もう疲れちゃった!」
「当たり前でしょ?ここ借りられたの、今日と当日だけなんだから。しっかり練習して感覚掴むの!はい、行くわよ!」
「は~い。でもハナさん、前に、僕たちがイマジンだから曲を聴いてもらえないって言ってたよね。その対策はしなくていいの?」
 おとなしく初めの位置に移動して、ウラタロスが小首を傾げる。
「そこは大丈夫よ。あんたたちはとにかく、演奏すればいいの」
 ほら、最初から行くわよ、とハナがステージで寝ているキンタロスに蹴りを入れる。
「んがっ…了解や!」
 自分の頬を平手打ちして気合を入れ、キンタロスも定位置へと戻る。
「モモ?行くわよ」
「…おう」
 しぶしぶ立ち上がったモモタロスに、リュウタロスが呟く。
「モモタロス、もうやる気なくなったの?」
「そういうわけじゃねーよ。ただ、こう…めんどくせえんだよ、いろいろと」
 ガシガシと頭をかいたモモタロスに、ウラタロスが頷く。
「ま、先輩の頭じゃ大変だろうね。歌も振付もいっぱいあるし。あ、なんなら先輩のパートも僕がやってあげようか?」
「せやな。俺も変わったるで」
「あ、じゃあもうモモタロスなしでやろうよ~!」
「てめえら!何勝手な事言ってやがる!んなこと一言も言ってねえよ!」
 ステージ中央に立ったモモタロスがギターを構える。
「ハナくそ女!音出ししやがれ!」
 ハナがわずかに口角をあげる。
「オッケー。あんた達、これが最後のリハなんだから、気合入れなさいよ」
「「「「おう!」」」」
 イントロがかかる。モモタロスが大きく息を吸った。

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