月草雑記帳

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伝謳交響曲


第一楽章「めざせTMホール」4話


前回更新から結構経ってしまった。申し訳ない。
ちょっと裏設定考えるのに時間かかってしまいました…でもおかげでものすごい(笑)設定ができましたのでご期待ください(笑)。
そして4話となりました「めざせTMホール」。思ったより長くなったので途中で切らせていただきました。
というわけで4・5話は完璧に続きのお話。時間間隔空いてません。だからこそなるべく早く5話をあげたいんですが…そううまくいかない気もしてます(汗)。


さて、ここからは本編のお話。
我が捏造でのイマジン達はアイドルグループを目指しております。
なのでもちろん歌います。
歌います。
なるべく皆様が知っていそうな歌を選んだつもりですので、よかったら脳内で歌を再生しながら聞いてください。もちろん本物流してくれてもかまいませんが。
一体何の曲を歌っているのかは…5話ででも明かしましょうか。一部歌詞書いちゃったけど。
一応、キーワードは「電車」です。あと「応援歌」のつもりだったんだけどそうでもなくなった。


それでは、興味のある方のみどうぞ!








『めざせTMホール』4話


「うわ~やっぱり誰もいないね」
 ステージ裏から客席を覗いたリュウタロスが呟く。一度目と同じく、大通りの真ん中に作られたステージはパイプ椅子が何十客か並べられただけの、シンプルなもの。そしてだからこそ、ステージの内容によっては簡単に席を立つことも、席に座ることもできる。
「当たり前でしょ。だってまだ始まってないんだし」
「それにしても…ハナが来えへんのはどういうこっちゃ?」
「11時ちょうどにやるっつってたぜ、こないだはよ」
 ステージの後ろに設置された大きな時計は、もうすぐ11時を指そうとしていた。
「11時開始なんでしょ?そりゃ、ハナさんが舞台に立つわけじゃないけど…」
「俺らがイマジンであることの解決策、まだ聞いてへんからなぁ」
「ったく…とりあえず、準備だけしとくか」
「うん」
 そして、10時59分。
「おいおい、あと1分しかねえぞ!」
 モモタロスはイライラと足を鳴らし、ウラタロスはコーヒーを飲みながらも、目線がきょろきょろ動いている。キンタロスはどっしり構えている…が指がせわしなく動いている。そしてリュウタロスは、そんなメンバーの間を文字通りちょろちょろと辺りをうろついていた。
「とにかく…やるしかないってことじゃ…」
「みんな!お待たせ!」
 ステージ裏、楽屋の扉が開き、息を切らせたハナが飛び込んできた。
「ハナさん!」
「ったく待たせやが…って?」
「ん?」
「あれ?どうしたの?」
 四体の目が一斉に、ハナの後ろに注目した。
「話はあと!ほら11時になるわ!」
モモタロスは軽く笑うと、ギターを肩から外した。


 ステージにつけられたスピーカーから、どこかで聞いたことがあるような前奏が流れる。それに気が付いた人々がステージを見ると同時に、少年はギターを鳴らし、歌い始めた。
「たとえて言えばロング・トレイン…」
 歌を歌っているのは一人の少年。髪をツンツンに固め、そこに一房、赤いメッシュを入れている。服装は黒い革ジャンに赤いシャツ。赤いギターを構え、スタンドマイクの前に立ち、まっすぐに歌を歌っていた。
「あら、この曲…聞いたことがあるわ」
「時間もあるし、少し聞いて行こうかしら」
 客には見向きもせず、ただひたすらに歌う少年の前に、いつしか人が集まり始めた。
「旅立つ人よ、勇者であれ…」
 曲が終わり、パラパラと拍手が飛ぶ。少年はお辞儀をすると、マイクをとった。
「えー…なんだ。聞いてくれてありがとよ。これからまだ歌うから…よかったら聞いて行ってくれ」
 マイクをスタンドに戻し、少年はバックステージへと引っ込んだ。
『みんな、はじめまして!僕たちはアイドルを目指してるグループです!』
 スピーカーから声がする。
『さっきの曲と合わせて5曲、今日までにいっぱい練習してきました。どうぞ、最後まで楽しんでくださいね!』
 短いイントロと共に、再び少年が姿を現した。
「たとえば、君がいるだけで…」
 少年はおろした髪に青いメッシュを入れ、眼鏡をかけていた。着ているものは薄い青色のシャツに白色のズボン。黄色いネクタイを軽く崩してあるためか、きっちりとした雰囲気ではなくなっている。微笑みを浮かべながら歌う姿は、先ほどの少年とはまったく別人に見えた。その歌う姿に、また何人かが足を止めた。
「lalalala…」
 徐々に消えていく歌声と共に頭を下げると、少年はマイクに手をかけた。
「皆様、はじめまして。今日は僕に釣られてくれてありがと。まだあと三曲歌わせてもらうからよろしくね」
 軽いウインクを残して、少年が奥へと戻る。男性客が足を止めた。ガガ、と小さな音と共に、スピーカーからまた声が聞こえ始めた。
『えー…次の曲は、有名な歌を有名な人がカバーしたやつのカバー…ややこしいけど、聞いて行ってくれ』
 次に現れた少年は、黄色地に茶色の縞が入った着物を着流し、クラッシックギターを肩にかけていた。長い髪を後ろで一つにまとめ、金色の一房がちらり光る。
 一音ギターを鳴らし、少年は低い声で歌い始めた。
「あたし、中卒やからね…」
 小さな外見に似合わない渋い歌声に、また何人かの通行人がステージを見た。
 曲が終わると少年はスタンドマイクよりも前に出て、笑った。
「聞いてくれておおきに。立ち見はしんどいから、よかったら座って行ってや」
 大きく頭を下げると、少年は大股で奥へと戻っていった。二人組の女性が、席についた。
『続いては、とある有名な映画の主題歌にもなった歌です。手拍子でもなんでも、入れてもらえると嬉しいかな』
 軽快なイントロと共に、またも少年がステージへと姿を現した。
 紫色のメッシュが波打つ髪型に、裾の長い上着をはためかせ、満面の笑みを披露すると、少年はマイクを手に取ってステージ上を歩き回りながら歌い始めた。
「あの人の…」
 男の子が一人、席に座る。リズムに似合わない歌詞を楽しそうに歌い終わると、少年はステージの真ん中で大きく頭を下げた。
「こんにちは!今日は来てくれてありがとー!」
 客席に座っていた10人ほどが、パラパラと拍手を送る。
「僕たちはターミナルでアイドルを目指してるグループだよ!あと一曲あるから、最後まで聞いていってね!」
 バイバイと手を振り、少年はステージの奥へと戻っていった。


「で、どうすんだよこっから」
 ステージ裏では、4体のイマジンと2人の人間が、輪になってひそひそ話していた。
「…本当は、誰か1人を出すつもりだったんだけど…」
 しばらく迷い、それからぐっと唇をかみしめると、ハナは大きく言い放った。
「リハーサル通りに!全員そのままいきなさい!」
「あ?」
「え?」
「ほんまか?」
「いいの?」
「いいの!ほら早くドラムセットとマイクスタンド運ぶ!」
 微妙に怒りを含んだその声に、イマジン達は慌ててそれぞれの荷物を抱えた。
「…あの…」
 ちらり、とハナが隣の少年を見る。
「大丈夫。任せて」
 少年は、にっこり笑ってこう答えた。

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