月草雑記帳

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伝謳交響曲


第一楽章「めざせTMホール」6話&「ディアーハート」6話


なんだかとんでもないタイトルになってしまっていますね。理解いただけるんでしょうか。
今回は「めざせTMホール」の6話であると同時に、ディアーハートの6話でもあります。
本当はどっちかにしようと思っていたんですが、リアルタイム更新じゃなく読む人には不親切なつくりだよなあと改めて思いましたので、このような形になりました。


「めざせTMホール」にとっての日常であり、「ディアーハート」にとってのクライマックス。
イマジン達が奏でる音楽を想像しながら読んでいただければ、これ以上幸せなことはございません。
個人的に好きな曲ばかりですので、よかったら本当に曲聞きながら読んでください。多分一曲目聞き終わる前に読み終えます(笑)。


それでは、おつきあいくださる方のみどうぞ。








『めざせTMホール』6話、そして、『ディアーハート』6話 


 ファーストライブから、一か月。
 ターミナルでのイマジンセカンドライブが行われる日になった。
 会場付近の大時計が定刻をさす。それと同時に、四体のイマジンが舞台の上に現れる。
「みんなーこんにちはー!」
 リュウタロスが大きく手を振る。観客席の上手前方では先生に連れられて来たらしい子供たちが、イマジンを見て驚いたり笑ったりしていた。
「今日は俺らのライブに来てくれて、おおきに」
「セカンドライブの幕開けだよ。みんな楽しんでいってね!」
「じゃあいよいよ始めるぜセカンドライブ!テーマは」
「「「「スマイル!」」」」
 部隊の後方に貼られた横断幕には、カラフルな「SMILE」という文字と、笑っている人の顔が描かれていた。
「じゃあ僕の歌からいくよー!みんな、いーい?」
 リュウタロスが右手を挙げる。キンタロスがドラムセットの前に座り、モモタロスはギターを下げてマラカスを手にする。ウラタロスはキーボードの椅子に座ると、子供たちをちらりと見た。
「いくよ『さくらんぼ』!」
 ウラタロスとキンタロスの演奏が始まり、リュウタロスとモモタロスはマラカスを持って各自好き勝手に踊り始める。
 リュウタロスが歌い始めるとモモタロスはマラカスを置いてギターに専念する。
 そんな楽しげな雰囲気に、何人かの通行人が足を止めた。
「あ、前も見たわね、あの子たち」
「今日もやってるのね」
 そんな会話と共に、過ぎて行ったり、座ってみたり。ターミナルには今日も大勢の客がざわめいていた。
 曲が終わるとキンタロスがマイクをつかむ。
「今度は俺の歌や。雰囲気変わるけど、ついてきてくれや。曲は『太陽の下』」
 ウラタロスの伴奏が始まる。キンタロスは足と手で簡単なリズムを叩きながら、低い声で歌っていく。モモタロスはギターを続け、リュウタロスはタンバリンを手に、時たまコーラスを担当していた。
 歌が終わり、客席にも少しずつ人が増え始めていた。
 子供たちはきょろきょろと辺りを見回したり、楽しそうだったり、半泣きだったりと様々な反応をしていたが、その中でも一人の少女は、じっとキーボードを見続けていた。
「それじゃあ今度は俺の番だ!超有名な曲だから、知ってるやつは一緒に歌えよ!」
 モモタロスが舞台中央に躍り出て、マイクを構える。
「行くぜ!『勇気100%』」
 キーボードの音が鳴る。キンタロスは見かけによらず軽やかにドラムをたたき、リュウタロスは踊りながらタンバリンを叩いて回る。モモタロスはマイクを片手に持ち歌い、間奏の部分ではギターをかき鳴らした。
 ほとんどの子供達も楽しそうな表情になっていく。そんな中、相変わらず真剣な表情の少女に、ウラタロスは変わらない表情で笑いかけた。
「さて、いよいよ僕の番だよ。とっても素敵な曲だから、みんな、心して聞いてよね」
 キーボードの向こうにスタンドマイクをセットし、ウラタロスは囁くように曲名を言った。
「らいおんハート」
 ウラタロスが弾き語り、キンタロスがリズムを刻む。リュウタロスは要所要所で鈴やトライアングルを鳴らす。モモタロスはギターを弾きながら、時たまハモリを入れていた。
 その歌を、演奏を、じっと聞いていた少女の手には、カードくらいの大きさの紙がしっかりと握られていた。


 とある時間の、とある場所。
 白い病室で眠っている女性の前に、一人の男性が現れた。
 男性は女性の顔を優しい目で見つめ、それから持ってきた小さなキーボードを膝の上に乗せた。
 白い鍵盤を指が滑る。
 奏でられたメロディーが、どこかのライブと重なった。


 歌が終わりに差し掛かる頃、燕尾服を着た男性がふらふらと観客席に現れた。
 手に握られているのは一般的なコンサートのチケット。
「何持ってるの?」
 隣に座った黒い服を着た男の子が声をかける。
 男性は男の子に微笑みかけると、人差指を口の前に立てた。
「悪いけど、聴かせてほしいんだ」
「ふーん」
 それきり興味を失ったらしい男の子はまた、ぼんやりと舞台を見始める。
 その隣で男性は、リズムをとりながらメロディーを聴いていた。


「よーし、最後はこの曲だ!覚えた奴は歌ってくれよ!せーの!」
「「「「Climax Jump!」」」」
 全員の声がきれいに重なり、よく知った前奏が流れ出す。
 モモタロスはギター。ウラタロスは立ち上がりベースを構える。キンタロスも立ち上がり、舞台中央にどっしりと構える。リュウタロスは楽器を置き、キンタロスの隣に並んだ。
「「「「いーじゃん!いーじゃん!すげーじゃん!」」」」
 その賑やかな、いっそ喧しいともいえる四体が作り出す音楽に、舞台裏で聞いていた良太郎とハナは思わず顔を見合わせて笑った。
 そして、以前よりも少しだけ観客を増やして、セカンドライブは幕を閉じた。


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