月草雑記帳

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竹華


竹華 「思い出して」第一幕


ええと、とりあえずこちらをご覧ください、と言っておきます。


ご覧になっていただけましたか?では、改めて。


こちらは侍戦隊捏造長編集「竹華」です。捏造っぷりがclimaxです。
私の限界ぎりぎりまで捏造してます。
侍戦隊をご覧になっていらっしゃらない方は、ちょっと意味がわからないと思います。
ご覧になっていても本編以外はいらない!という方もちょっと楽しめないと思います。


カテゴリ「創作」「侍戦隊捏造」よりも捏造っぷりが素晴らしいです。
過去やら現在やら心情やら人物やら、なんでもありです。
それでもよろしい方。
ようこそ竹華へ。
私と一緒に侍戦隊を堪能できる事をお祈りいたします。


では、初めての更新です!!侍戦隊第四十五幕裏側捏造長編「思い出して」。
どうぞ!!










「思い出して」第一幕


 とある川のほとり。
 そこに、傷を負った1人の青年がたたずんでいた。


 ただぼんやりと川面を眺めていた。
 そこに映った顔は、無駄に年をとってしまっていた。
 子供には戻れない。
 でも、大人になりきれていない。
 何物でもない、ただの、人。
「…父さんに、会いたいな。」
 川の中に映る自分に、父の面影を見たのかもしれない。
 このまま、寒く冷たい川に沈んでしまえば。
 子供の頃別れた父に会えるかもしれない。
 母にも。


「丈ちゃん!」
「殿!」
「丈瑠様。」


 ふと、自分を止めたのは。
 真実を知ってなお、自分を呼んでくれた「声」だった。
「…なにも、ない。けど。」
 足を、川から遠ざけた。
 自分の心がコントロールできない。いつ沈んでしまうかわからない。
 反射的に、山の方へ歩き出す。いつしか天幻寺に向かっていた。
 父に、会うため。


「あああああああ…丈ちゃん、どこ行っちゃったんだよー!?」
 がらがらがらと屋台を引っ張り走りながら梅盛源太は必死で辺りを見回す。彼が捜しているのは、志葉丈瑠という青年。少し前までは川辺に居たのだが、少し目を離したすきにいなくなってしまったのだ。
「どっかから飛び降りたりしてねえよなあ?あああもう1人にするんじゃなかった!」
「親分!ちょっと落ちついてくだせえ!」
「あ!ちょっとここ見てくる!ダイゴヨウ!ちょっと屋台見てろよ!!」
 言うが早いか源太は屋台とダイゴヨウを置き去りにしてあっという間に塀をよじ登ると風のように去って行った。
「…親分…それ不法侵入になるんじゃあ?」
 ダイゴヨウは源太の入って行った建物を見た。
「…ん?ここは…学校…で?」
 広い運動場の向こうに見えるのは確かに校舎だった。
「…親分、何でまたこんなところに殿様がいると思ってんだ?」
 ダイゴヨウは不思議そうにつぶやいた。


「ん?なんだこれ。」
 巡回中の警官が小学校の横のわき道を何気なく覗くと、そこには屋台が置き去りにされていた。
「困るな、こんな所に置かれちゃあ。」
 ポリポリと頬を掻く。見渡すかぎり持ち主らしき人はいない。屋台を見てみるとそこには「鮪」「烏賊」などという文字と水槽があり、どうやら寿司の屋台らしいと判断する。
「しょうがない…交番まで引っ張っていくか…」
「うわわわわ、ちょっと待ってくだせえ!」
 警官が突然の声に驚いていると、釣り下がっていた「侍」と書かれた提灯がこちらを向いた…気がした。
「親分、すぐに戻ってきますので!!」
「い、いやそうは言ってもねえ…」
 なんだこれは。警官の頭の中は真っ白になる。どうして俺は提灯と会話しているのだろう。疲れているのだろうか…。
「…とにかく、交番に」
「だからちょっと待」
「すみません。」
 会話に割り込んできた声に、警官とダイゴヨウは同時に振り返った。
 そこには、着物姿の小柄な女性が微笑んでいた。


「こんなところに置いておいてしまって、申し訳ありません。」
「…これ、あなたの屋台?」
「はい。移動の途中に少し気分が悪くなって…でも、もう大丈夫ですから。ご迷惑おかけしました。」
「あ、お嬢さん…」
 誰、と聞こうとしたダイゴヨウに向かって、女性はにっこりとほほ笑んだ。それを見て、ダイゴヨウはとりあえず話すのをやめた。警官は屋台と女性を見比べてダイゴヨウに目を止め、ためらいがちに口を開いた。
「あ、ところで…娘さん。この提灯は…その、喋るの…?」
「スピーカーを内蔵していて、人の気配がするとスイッチが入るんです。今は泥棒に盗まれないようにしてあったんです。御気分を害したなら申し訳ありません。」
 ぺこり、と女性は頭を下げる。そうか、と警官は呟いて去って行った。


 警官が全く見えなくなってから、ダイゴヨウはその女性をマジマジと見た。
「あの…」
「ご迷惑、やったかな?」
「いやいや、とんでもありやせん!危うくしょっ引かれるところでした!ありがとうごぜえやす!!ところで…お嬢さんは?」
「ただの通りすがり。なんだかここに居たそうやったから、つい。」
「いや、ほんっとうにありがとうごぜえやした!!うちの親分がなかなか帰ってこねえせいで…!出来る事があったら、なんでもいってくだせえ!」
「なら…道をお尋ねしたいのですが。」
「ああ!なら親分に聞けば間違いねえですぜ!!親分はこの街に超詳しいんですから!!」
 ふふっ、と女性が笑う。
「大好きなんやね、その、親分さんの事。」
「…まあ、生みの親みたいなもんですから。」
「会ってみたくなったわ。ここで、お待ちしてもいいかしら。」
「もちろんですよ!すぐに帰ってくると思うんで…」
 がさがさ、と壁の向こうから音がした。そして、柵を乗り越えて源太がひょっこり顔を出す。
「駄目だー…ってあれ?どうした?ダイゴヨウ?」


「親分!帰りが遅いせいで、オイラ危うくしょっ引かれるところで!」
「あ、悪い。で、この美人さんは?」
 とん、と屋台の横に立って源太は聞く。
「この人に助けてもらったんでい。」
「マジ?うわ、どうもすみませんでした。」
 源太は頭を下げ、女性はくすりと笑う。
「いえ、お気にせず。ところで、お願いがあるんですが。」
「はい?」
 顔をあげた源太はうわ、と生唾を飲む。改めてみるとますます美人だ、とひそかに緊張する。頭の横にまとめられた黒髪。鴇色のコートから覗く薄黄色の着物。見た事のない、でも、どこかで見たことがあるような、そんな気がした。
「道をお尋ねしたいんですが。」
 その京都の発音を聞いてああ、と源太は一人頷く。ことはちゃんに似ているんだ。顔とか雰囲気とか。
「志葉さんのお家、ご存知ないですか?大きなお屋敷で、黒子さんがいらっしゃる…」
 源太と女性の間に、短い沈黙が流れた。
「…あの、志葉、さん家に、何のご用で?」
 恐る恐る、というような言い方に、女性は首をかしげる。
「…妹が、いるんです。あ、私、花織って言うんですけど…。」
「え、じゃあ、やっぱり、ことはちゃんのお姉さん!?」
 源太の表情がぱっと明るくなる。
「お知り合い、ですか?」
「はい!いや~どおりで似てるはずだよ。あ、俺は梅盛源太って言います。たけ…志葉さん家なら俺が案内しますよ!」
 今度は女性が目をぱちぱちさせた。
「…源太、君?」
「…はい?」
 女性は少し寂しげに笑う。
「覚えてないのも無理ないわね。私、あなたを知っているわ。丈瑠様のお友達の源太君、でしょ?お寿司屋さんの。」
「へ?」
 二人の間に、しばらくの沈黙が流れた。


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