月草雑記帳

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竹華


竹華 「清節」第二幕


「侍戦隊第四十六幕裏側」第二幕です。
これで最後になるのかもう一幕あるのかは今のところわかりません。


侍戦隊があと少しで終わってしまうから、今週は更新祭りにしたいです。特に「竹華」。
まだ全然過去編UPできてない~!!書きたいのに!書けてないからなんですけど!


まあこの「竹華」は私の趣味が全てですので嫌な人はたっくさんいるんだろうなーとは思ってます自覚してます。
でも元々自分がやりたくてやってる雑記帳なんだからやってもいいじゃねえかと自分を励ましつつ書いてます。


今幕は姫様暴走中です。
四十八幕のびっくり展開を取り入れてみました。
…あれ?っていうかみつば姉さん暴走中、かも?
まあゆったり話を進めてます。
関西人ですが関西弁難しいです。敬語となると標準語になっちゃうんだよなあ私。(皆そうかな?)
あと丹波が難しい。


では、本編の素晴らしさを損ねたくない方は回れ右願います。
「いいよ」というかたはどうぞ下へ。







「清節」第二幕


 若いな。
 薫のみつばに対する第一印象はそれだった。
 勿論自分が当主としては若い事は自覚している。しかし、確か他の家の当主はもっと年をとっているはずだ。
 池波の当主は滝然の父親であるし、谷家も千明の祖父だったはずだ。白石家の当主も茉子の母であったと記憶している。対してこの「当主印」を持ってきたものは子供がある、としても成人はおろか小学生にも満たないような子供しかいないだろう年齢だ。
 だとすると、当主代理か?
 そこまで考えて、薫は当主印を返していなことを思い出した。
「花織の当主印をこれに。」
 香里菜が当主印を差し出す。それを受け取ると、ことん、と自分とみつばの間に置かれた机に載せた。
「まずは、お返しする。」
 みつばはもう一度礼をして、印を受け取るとそっと包み、巾着にしまいこんだ。
「それで?今日は一体何をしに。」
 この忙しいときに、という心の声が聞こえそうなほど不機嫌に、丹波が尋ねた。
「何か、姫のお役に立てるようなことがあれば、と思いまして。」
「ない。いくら花織の当主代理とはいえ、姫のお役にたとうなどと」
「薫様は、お身大きくなられましたね。」
 丹波を軽く無視して、みつばは薫に微笑む。
「こら!聞いておるのか」
「はい。ただ、薫様がご立派に成長されたと思うと嬉しくて。これも丹波様の教育のおかげでしょうね。」
 にこやかな返答に、丹波が押し黙る。


 この人、すごい!!と香里菜と滝然は心の中で呟いた。あの口うるさく姫様命の丹波を初対面で持ち上げて黙らせるなどと。ぜひその技術を教えていただきたい、と二人はこっそり思った。
「改めまして薫様。花織家より参りました花織みつばと申します。このたび当主として侍たちの前にお出になられると聞き、何か出来る事があればと京より参りました。」
「それは御苦労。しかし」
「丹波。」
「はっ?」
「少し黙れ。」
「は。」
「みつばと言ったな。」
「はい。」
「気持ちはありがたいが、私は特に困った事はない。」
「本当に、お困りではないのですか?」
 薫が一瞬、返答に詰まる。
「初めて侍たちにお会いするのは勇気がいること。元々影と共に闘ってきた者たちとなれば、その苦労は並大抵のものではないと思います。」
 それでも、とその目が尋ねていた。
「さがれ!お前のようなものが来る場所では」
「丹波。少し静かに」
「いえ!この者は姫を侮辱しておられ」
「誰か。丹波を連れて外へ。」
 薫が言うが早いか紀常と都来が丹波を両脇から掴むと部屋の外へと引きずり出した。
「…少し、相談に乗っていただけるか。」
 薫の小さな声に、みつばは微笑んだ。


「…私は、影に…丈瑠に、会うのが楽しみだった。」
 薫とみつば、それに滝然と香里菜が残った部屋で、ぽつりと薫が言った。
「そしてまず、謝罪したかった。父上…先代が丈瑠に無理難題を押し付けた事。今まで私の代わりに戦ってくれていた事。…全てに、謝りたかった。」
 滝然と香里菜はもちろん、みつばも黙って話を聞いていた。
「でも、丈瑠はすぐに居なくなってしまったから。きっと、ここに居たくないんだと思った。ここが丈瑠にとって居づらい場所なら…私が引き留める事は、出来ないと思った。」
 淡々と話す薫に、みつばはふと笑いかけた。
「お優しいのですね。」
「そうかな。…私は本当は怖かっただけかもしれない。丈瑠に拒絶されるのが。」
 丈瑠もきっと、と薫が呟く。
「私と同じだと思うから。」
 にこ、とみつばは笑い、話し始めた。
「薫様。お話してもよろしいですか?」
 薫が無言で頷く。
「先代様の事なんですが…先代さまは、薫様が大切だったんだと思います。」
 予想外の話に、三人は目を丸くした。
「私には子供はいませんけれど、なんとなくわかるんですよ。…この子には、どんな苦労も悲しみも味わわせたくない。この子に起こる不幸全て、自分に起ってくれればええのに、っていう気持ち。きっと、先代さまは、姫に、侍の道を歩んでほしくなかったんです。たとえ鬼と言われようと、たとえどんなに人を傷つけようと。…自分の子供には、幸せになってほしかったんですよ。きっと。」
「…そう、なんだろうか。」
 きっと、とみつばは続ける。
「失礼ですけど、先代は、寂しかったのかもしれません。同じ立場の人間なんてだれ一人いない。そんな立場が、悲しかったのかもしれません。だから、姫には、お仲間をお与えしたかったのかもしれませんね。」
 薫はしばらく黙りこんだ。薫の答えを、三人は黙って待った。
「私は、出来ればお姫様なんていう座は棄ててしまいたい。そして、『薫』として生きてみたい。ただの人として、家族と、暮らしてみたい。…丈瑠も、多分そうだと思ったんだ。でも、たとえそうだとしても、今回は突然すぎた。私のミスだ。」
 薫がまっすぐ顔を上げる。
「話したい。丈瑠と。…話してみたい。」
 みつばが微笑む。
「それが、一番よいと思います。」
「どうすれば…よいのかな。」
 丈瑠を呼び戻すには、と薫が呟く。
「…みつば。滝然。香里菜。何か、良い案はないか?」
 突然話をふられ、黒子二人はあわてて考える。
「えっと…黒子にしちゃう、とか!」
「今までシンケンレッドだった人をか?それよりも何か別に地位をお与えになられては…。」
「それが一番良い気もするけど…。」
「でも、私は、…あの家臣達を丈瑠に仕えさせてやりたい。」
 うーん、と四人は考え込んだ。


「例えば…養子にしてしまう、とか。」
 ぽつり、とみつばが言う。
「養子に?丈瑠を、私の?」
「やはり一番わかりやすいのは、志葉家を継いでもらう事。それには子供ということになるんやないでしょうか。…法律的にはできひんことですけど。今問題なんは法律とかやなくて、あの丹波さんと、丈瑠様を納得させること。違いますか?」
「ああ。そうだ。」
「なら、志葉家には家系図…と言いますか歴代の当主の名を記した書物くらい、あるのではないですか?…少し、現実離れした考えですけど。」
「…なるほど。面白い。みつば、ありがとう。私のすべきことが分かった気がする。」
「…薫、本気?」
「姫…影があなたより幾つ年上だと!?」
 薫が立ち上がり、滝然と香里菜が慌てる。
「今日のところは、これで良い。後の事はまた考える。」
 にっと、薫が笑う。
 その笑顔に、誰もこの姫を止められない事を、滝然と香里菜は悟った。

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