月草雑記帳

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竹華


竹華 「節度」第一幕 


ひっさしぶりの「竹華」です。やっと出せました。


初めてみるよ!?という方に補足しておくと、こちらは侍戦隊捏造大長編です。


そして「節度」は殿こと丈瑠とみつばの出会いを私が勝手に捏造した「過去編」の総タイトルです。
かーなーり長くなることが予想されます。
一応、放送全49幕+劇場版二作を基に矛盾しないように気をつけて書いてます。…してたらごめんなさい。
「裏側編」のみつばさんの言動源はここに凝縮するつもりでいます(まだ書けてませんが)。
ということで裏側編で「何この会話?」とか思われた部分の補足はするつもり…です、一応。


では、何かいろいろ覚悟が決まった方からどうぞ下へ!!
「原作のイメージ壊したくないよ!!」って方は読まない方が身のためです。
読んだ後の苦情は受け付けておりませんので、そのあたりもご了承ください。


私オリジナル設定が盛りだくさんです。「当主」に関してとか。
…後悔しませんね?
ではどうぞ。








「節度」第一幕




「失礼します。当代様。」
「ああ、みつば?入って。」
「はい。」
 すっとふすまを開けて、みつばは中に入った。
「お呼びだと伺いましたが。」
「…みつば。あんたが、次のシンケンイエローや。そうやね?」
 みつばの首には猿折神がかけてある。
「はい。」
「れいはが死んだ今、いつシンケンイエローとして動かなあかんかわからへん。…だから、東京へ行き。」
「…はい。」
 ぎゅっと手を握りしめたみつばを見て、当代はぱたぱたと扇を振った。
「ま、別にホテルで独り暮らしぃとは言わへん。志葉のお家に行き。」
「…でも、志葉のお屋敷も大変な被害を受けたと、聞いています。」
「ああ。でもな、第二邸に次期シンケンレッドたるお方が移られたらしいねん。歳はお前より少し下。…この戦いで親を亡くしていらっしゃるから、みつば。行っとおいで。」
「はい。分かりました。」
「あ、そうそう。…あんたには持病があったな。気をつけて。」
「…はい。」
 みつばは立ち上がり、一礼した。そして、部屋を出て行った。


 着替えと、少しだけ持ってきた本。
 自分の少ない荷物を片付け終わって、丈瑠はなんとなく庭に出てみた。
 本日付で自分の家となった場所には広い広い庭があり、ここでかくれんぼや鬼ごっこをすると遭難者が出るのではないかと思うほどだった。越してきたばかりの今は荒れている事もあって、ますます広く見えた。
「すごいなあ。公園みたい。」
 庭をうろうろと歩いていると、塀が見えた。
 端っこまで行ってみたくなって、丈瑠は塀に近づいて行った。
「……。」
 塀は見上げるほど高く、絶対に自分では登れないと思った。
 しばらく塀に沿って歩いて行くと、小さなドアを見つけた。
 外に出たいと思ったわけではなかった。
 ただ、ほんの少し反抗してみたかったのだろう。
 自分の、運命というものに。


 恐る恐るノブをひねってみると、拍子抜けするほど簡単にドアは開いた。
 丈瑠がそっと顔を出してみると、ドアの向こうには路地が続いていたがそこには一人の少女が居た。
 黄色い着物に身を包んだ少女は丁度ドアの前にいたらしく、急に開いたドアに驚いて固まっていた。
「…あの、」
 少女の声に、同じく固まっていた丈瑠ははっと我に返り、あわててドアに隠れた。
「ここ、志葉さんのお宅ですか?」
 丈瑠が黙ったままだと、それを否定と判断したらしい少女はそうですか、と呟いた。
「…どうして、志葉さんのお家に行きたいの?」
 丈瑠が小さい声で尋ねた。少し考えて、少女は答えた。
「そこのお殿様にね、見せてあげたい景色があるの。」
「けしき?」
「うん。貴方も見たい?」
 丈瑠はしばらく考えて、頷いた。公園のように広い庭も素敵だったけれど、もっとすごい景色なのかもしれない。
「じゃあ、すぐそこだから一緒においでよ。」
 そう言って少女は手を差し伸べる。丈瑠はおそるおそる手を握った。
「私はみつば。貴方、お名前は?」
「…丈瑠。」
「丈瑠君、ね。行こう?」
 そうして二人は歩きだした。


 そこは、何かの計画の途中だろうか。それとも計画が廃止になったのか。
 建物の真ん中にぽつんと空いた、なにもない空間。―否。
 一面の草原に、咲き誇るクローバー。
「…すごい。」
 丈瑠が感嘆の声を上げる。そこは、春と夏の丁度まんなかの若草色を切り取ったように濃い若草色の空間だった。
「…すごい、でしょう?入って、みましょうか?」
「え?」
 低い柵で区切られたその場所は、反対側が川で、おそらく誰かの私有地だろう。あからさまに『立ち入り禁止』とは書いていないが勝手に入ってもよい空間とは思えない。
「でも、怒られる、でしょ?」
「…その時は、その時。」
 そういってみつばは遠慮なく柵を越えた。
 少し迷って、丈瑠もえい、と柵を乗り越えた。


 柵を越えた足が、地面に着く。
 低い柵の上を吹く風が暖かくて、足もとも何だかくすぐったい、土と草の感触だった。
「うわあ…」
 声が漏れる。さっきの庭も素敵だったけれど、庭よりももっと開放的なこの空間。
「こんな場所があったなんて、知らなかった。」
 みつばがしゃがみ込んで、何かを摘んだ。
「でしょう?私もさっき通ってね。…誰かに見せてあげたいって思ってん。」
 にこ、とみつばが笑う。
「貴方に会えてよかった。」
 でも、とみつばは摘んだ野草を見た。
「惜しかったなあ。きっともう少し早かったら、シロツメクサが一面に咲いとったんやろうなあ。」
「シロツメクサ…。」
「私の名前、みつばやろ?だから、好きやねん。クローバーとシロツメクサ。」


 草という名しか持たない花は、春にはきっと足元一面に広がっているのだろう。
 目立たない花。
 際立っては美しくない花。
 でも、たくさんあれば冠も作れるし、首飾りにもなる。
 そういう、華。
 ぼんやりとそんな事を考えながら、丈瑠はふと、目を閉じてみた。春風が頬をこする。暖かくて、やわらかい。
「気持ちいい…。」
 みつばがクローバーの上に寝転がる。丈瑠は思わず真似をした。
 日常とは違う気がする、でも確かにつながっている場所。
 世界という広さ。


「…みつば」
「?」
 寝転んで空を見たまま、丈瑠は言う。
「ごめんなさい。黙っていて。僕が、…志葉の、殿様、なんです。…殿様に、なったんです。」
 最後の方はかすれそうな声だったがみつばはそれを聞いて何か納得したかのように頷いた。
「…なんとなく、そうじゃないかって思ってた。」
 その言葉に丈瑠は驚いたが、ぎゅっと目を閉じて、呟いた。
「僕、やらなきゃいけない事があるんだ。…帰らなきゃ。」
「…そうですか。」
「みつばは、もう用事終わったから、帰るの?」
「いいえ。」
「?」
 身体をおこして、みつばは丈瑠に微笑んで見せた。
「まだまだたくさん用事がありますから。しばらくは…この辺りにいるつもりです。」
「そっか…じゃあ、あの、また…。」
「ええ。また、遊びましょう。」
 丈瑠もよいしょと身体を起こす。
「…いいの?」
「ええ。約束。」
「うん!」
 それは、風の吹く五月の出来事だった。

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~ Comment ~

丈ちゃんv 

子殿vvv かわいいよv 子殿♪
やっぱり、殿が好き! 病は深い(笑)

桃李氏、携帯復活&アレは引っ越し蕎麦!? 事件(爆)
次の仕事も気に成る!! 自分は桃李氏も大好きです。
『もやしもん』・・・地元でもあると良いなぁ・・・。

teddyさんへ 

コメントありがとうございます。遅くなってしまいまして…。


殿…。ついね、小さい殿もかっこよくしたくなるんですけど。ちゃんと秘伝音盤聞いてイメージ修正しないと(笑)


ああ、成程。引っ越し蕎麦だったのかもしれませんね!
もやしもん、原作ファンとしては「直保が…ゆーと…?」って感じですけどかわいいから怒れない!(個人的には蛍が良かったけど)
とりあえず、笑い飯さんはグッジョブだと思います。
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