月草雑記帳

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竹華


竹華 「節度」第七幕


拍手ぱちぱちありがとうございます。
予告通り連日更新ですが…じつは相当迷いました。

「動のクライマックス」…長すぎて…
どこで切ったらいいのか全然わからないorz
もういっそ全部一気に載せようかとも思ったけど…捏造小説を軽く超えそうな長さになってしまう…。
とりあえず三つに分けることにしましたが実はまだ何処で切るか悩んでたり。
キリが良いのと悪いの…どっちが良いんでしょうか?


とりあえず、今回はある意味みつばねえちゃんの見せ場です。
ていうか「動のクライマックス」は全部に気合入ってます。いやそれを言い出すと「竹華」自体にものすごく愛着もあるし気合も入ってるんですが。
その「竹華」のメインシーンが満載…というかなんというか。
うまく言えませんがとりあえず無茶苦茶気合入ってます。
そしてオリジナルキャラクターが多くなってきましたが、「節度」はとりあえず丈瑠とみつばが分かれば大丈夫です。



では、いろいろ宜しければどうぞ。
ちなみに、今までの竹華はこちら







「節度」第七幕


「いや、まったく、お疲れさまでした。」
 今日結論を出すのは早すぎるでしょうから、と理由を付け、春日と伸一は帰って行った。当主達はまだ客間に居るが、もう堅苦しい挨拶は終わった。丈瑠は窮屈な着物から洋服に着替えた。
「本当に親戚の方がいらっしゃるとは思いもしませんでしたね。」
 そういうみつばも正装を解き、ラフな格好に戻っていた。
「そうだな…。しかし、これからもこう言った機会が増えるかもしれん…。」
「早く、変身できるようになればいいんだよね。」
 丈瑠がしゅんと呟く。みつばと彦馬は口を開きかけて、やめた。
 確かに丈瑠の言う通りなのだ。丈瑠のモヂカラは日々力を付けてはいるが、未だにシンケンレッドに変身するために必要な「火」のモヂカラには、足りない。
「そうですね。今も良い所まできてはりますから、きっともうすぐ変身できます。」
 そういうみつばは変身に関して問題はない。ここのところは毎日丈瑠と実践の練習をしていた。
 こつこつ、と黒子が壁を叩く音がする。彦馬が黒子に近づく。
「丈瑠様、今日は、お見事でしたよ。」
 みつばが言うと、丈瑠はほっと笑った。
「殿。池波殿、白石殿、谷殿がお帰りになるようなので、ジイは見送りに行って参ります。」
「うん。お願い。」
 彦馬は黒子と共に部屋を出て、丈瑠とみつばが残される。
「そういえばみつば、あの子が次のシンケンブルーなんだよね?」
 丈瑠が思い出したかのように言う。
「池波 滝然君ですね。彼は確かに池波家当主の御子息ですが、彼のイトコも同じ年で、シンケンブルー候補だと聞きました。」
「そうなんだ…。いつか、その子にも会ってみたいね。」
「白石様のお孫さんが、次のシンケンピンクらしいです。谷様…シンケングリーンは今のところ先々代の御子息に期待が集まっているようですが、まだ保育園に通っていらっしゃるらしく、未定だと。」
「そっか…。」
「気になりますか?」
「うん…。いつか会う事になるかもしれないし。」
「そうですね。」
 まだ顔も見ない未来の家臣。その者達に自分は殿様として接する事は出来るだろうか。
「自信ないな…。」
「丈瑠様なら大丈夫ですよ。」
 その笑顔を見て、丈瑠は安心する。
 みつばが居れば、きっと大丈夫。
 そう思った、次の瞬間だった。


 カランカランカランカラン。
 聞いたことのない、聞きたくない音が響く。
 咄嗟にみつばと丈瑠は居間に向かう。そこでは彦馬と黒子が隙間センサーを見ていた。
「…殿。外道衆のようです。」
 一気に緊張が高まる。場所は、屋敷からそう遠くない。


 どうすればいいのか。
 一瞬で判断する。
 「安心してください。練習試合だと思って。」と楽にしてあげるのか。
 否。―――それは、駄目だ。
 これは丈瑠様の人生を左右する。迂闊なことは言えない。
「これが、最後の選択です。ここで戦いに行けば、丈瑠様は外道衆に狙われる存在となってしまいます。…やめるなら、今です。」
 嘘だ。
 本当はもうこの少年には選択肢など残されていないのに。
 自分で決めた事だと認識させ、逃げられないように言葉で縛る。
 私は言葉を、こんな使い方をするために得たのではないのに。
 聞こえた自分の声は、驚くほど冷静だった。
「どう、なさいますか?」


 どくん、と丈瑠の胸が鳴る。
 みつばは質問の答えを待っている。その瞳は確かに「命を預けた」と彼に伝えていた。
 本当を言えば、逃げ出したかった。
 誰も追いかけてこない場所に、外道衆なんていない場所に。
 大切な人を皆連れて逃げたかった。
「俺、行くよ。」
 でも心とは裏腹の言葉が口から出る。自分はそれを、誇りに思おう。
「みんなを護りたいから。」
 それが、自分の宿命。
「殿。」
 彦馬が差し出したショドウフォンを、丈瑠は受け取った。
「みつば。行こう。」
「はい。」
 同じようにショドウフォンを受け取ったみつばが頷き、同時に走り出す。
「殿の御出陣!」
 外へと走り出した小さな二つの影を、大人たちはただ見送ることしかできなかった。


 走りながら、丈瑠は聞いた。
「みつばは…覚悟、できた?」
「はい。…まだ、命を落とす覚悟はできていませんけど。」
 少し走っただけできれそうな息を整えながら、みつばは答えた。
「丈瑠様をお守りする覚悟は。」
「…そっか!なら、俺はみつばを護る!」
 うじゃうじゃとナナシが見える。先に出た黒子と、まだ近くにいたらしい当主達が一般人の誘導をしてくれている。
 あれなら、遠慮なく戦える。
 ざっ、と二人は同時に立ち止まった。
「丈瑠様、シンケンマルを。」
「ああ。」
 二人はショドウフォンを構え、『刀』の文字を実体化させる。
「行きます。」
「はっ!」
 二人はシンケンマルを構え、暴れているナナシに斬りかかった。

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