月草雑記帳

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超越時空炎鳥伝説


超・電王&侍戦隊捏造 超越時空炎鳥伝説 その二十一


拍手ぱちぱちありがとうございます!
あの結末、ありかな…?とどきどきしてたのですが、受け入れていただいたようで嬉しいです。


さて、とうとう来ました。
長い長い捏造もついに…です。
付き合ってくださった皆様にただただ感謝の気持ちを述べさせていただきたいです。ありがとうございます。


では、興味のある方のみどうぞ。
「この出逢い忘れない」。






超・仮面ライダー電王&侍戦隊シンケンジャー 超越時空炎鳥伝説 その二十一



「…というわけで、これとこれが戦利品です。」
 大急ぎで家に帰り、丈瑠は筆と羽根を薫に差し出した。
「…本当にあったんだな。」
 初代シンケンレッドが使っていたであろう筆を手に取り、薫はしげしげと眺める。
「そのようです。」
「ご苦労だった。これで依頼は終わりだな。」
「あの…鳳凰折神、捕まえられなくってすみませんでした!」
「ああ、気にするな。終わった事はしょうがない。」
「…テストの直しはきっちりやっていただきますよ?」
 沈黙。千明と茉子、それに源太は笑い出したい自分を抑える。
「…分かっている。それより、丈瑠。」
 薫の視線を受けて、一人の黒子が何やらチラシを持って入ってくる。
「…夏祭り?」
 そのチラシには大きく『夏祭り』と書かれていた。
「今日の夕刻からやっているらしい。」
 その先を口で言わず、目で訴えてくる薫に、丈瑠は苦笑する。
「一緒に行きましょうか、母上。」
「!本当か!」
「息抜きも必要でしょう。…頑張っていたようですし。…二時間だけですよ。」
「殿、私もご一緒しても!?」
「私も行きたいなー。」
「俺も!」
「うちも!」
「うっし、じゃあ皆で行こうぜ!丈ちゃん!」
「…そうするか。」
 黒子が持ってきた浴衣に着替え、七人で近所の神社に向かう。


「ただいま…。」
 きい、とミルクディッパーの扉を開けると、そこには浴衣姿の愛理と、同じように浴衣の常連である尾崎と三浦が居た。
「あら、良ちゃん、お帰りなさい。」
「良太郎君!待ってたよ。」
「尾崎さん、三浦さん。」
「今日は夕方から花火を見に行きましょうって言ってたでしょう?」
「あ…ごめん、忘れてた。」
 愛理が良太郎用の浴衣を持って笑う。
「ほら、急いで着替えましょう。」
「花火までまだ時間がありますし、急がないで大丈夫ですよ。」
「そうですよ!僕は花火より愛理さんの方が」
「みーうーらくーん?」
「何かな?三流雑誌記者。」
 バチバチと火花が飛ぶ。良太郎は苦笑して別室に移動する。
「あれ?」
 その部屋にはもう一着、大人の男性用の浴衣が出されていた。
「姉さん、これは?」
「ああ、朝から良ちゃんいなかったでしょう?ひょっとしたらおっきくなって帰ってくるかもって、用意しておいたの。」
「確かこれ、父さんの着てたやつなんでしょ?」
「ええ。これは元々お母さんのものだし。」
 そう言って愛理は自分が着ている浴衣を見せる。
「せっかく出したし、誰か着ないかしら?」
「…ね、姉さん。姉さんが昔着てたやつってないの?」
「ええ、あるわよ。」
「じゃ、ちょっと待ってて。」
 良太郎は急いで部屋を出て、ケータロスを取りだす。


「おお…これが『夏祭り』か!!」
「姫さん、初めて?」
「昔来た事はあるが…。ずいぶん久しぶりだ!!」
 真っ赤な浴衣に白い帯を締めてはしゃぐ薫を見、総員はほほえましげに眼を細めた。
「あ、ことは、わたあめ売ってるよ。」
「ほんまに?うち、わたあめ好きや!」
「流ノ介!金魚すくいで勝負しようぜ!!」
「ふふふ…去年までの私と思うなよ!!実はあの日から特訓に特訓を重ね!」
「丈瑠!丈瑠!アレはなんだ!」
 わいわいとにぎやかな祭りの中、薫が丈瑠の注意を引く。
「え?ああ、あれは…クレープですが…。」
「くれーぷとはなんだ?良いにおいがするな!」
「…えっと…食べます?」
 こくりと頷く薫に、他のメンバーはどうするのかと丈瑠は辺りを見回した、が。
「…?」
 そこにことは、茉子、千明、流ノ介、源太姿はなかった。
「茉子とことははわたあめを買いに行って、千明と流ノ介は金魚すくいに行ったぞ。」
 そんなことよりも、と薫のきらきらした目が訴える。
「…はい。何味がいいですか?母上。」
「いろいろな味があるのか!?」
 薫が看板を食い入るように見つめる間に、丈瑠は列に並んでおくことにした。


「…で?」
 居心地が悪そうに侑斗がミルクディッパーの前に立っている。
「一緒に行かない?花火見に。」
 浴衣を着こんだ良太郎に促され、侑斗はしぶしぶ店の中に入る。
「あら、桜井君、いらっしゃい。」
 中にいたのは、浴衣姿の愛理、と。
「…ハナ?」
 いつもと違ってピンク色の浴衣を着、若干恥ずかしそうにしているハナがいた。
「私のお古なんだけどね、着てくれるっていうから、着てもらっちゃった。」
 にっこりと笑うと愛理はもう一着の浴衣を取りだした。
「桜井君も着てくれるんでしょう?嬉しいわ。」
「…。」
 何か言おうとして、言葉が見つからなくて、侑斗は浴衣を受け取る。
「この部屋使ってね。良ちゃん、手伝ってあげて?」
「うん。姉さん、ハナさん、ちょっと待っててね。」
 そう言い残すと良太郎は侑斗に続いて部屋の中へと消えていった。


「丈ちゃん!姫さん!…あれ?後の四人は?」
「源太。お前どこに行ってたんだ?」
 クレープを食べている丈瑠と薫の元に源太がにかにかと笑いながら戻ってくる。
「いやさ、射的やろーと思って探しに行ってた。丈ちゃんもやろうぜ!!」
「射的…。私も…。」
「お、姫さんもやるか?よし、今日は俺がおごってやらあ!」
「…無茶はするなよ。」
 何故か保護者の様な気分になりながら、丈瑠は射的に向かう薫と源太の後に続いた。


「侑斗、浴衣似あうね。」
「…。」
「良太郎も似あうじゃない。」
「ありがと。ハナさんもかわいいよ。」
「本当、よく似合うわよ、みんな。」
 混んできたら困るから、と三浦&尾崎が場所を取りに行ってくれた。
 その場所に向かって、良太郎・愛理・ハナ・侑斗は歩いていた。
「これって…愛理さんが着ていた浴衣なんですか?」
「そうよ。私がコハナちゃんくらいの時にね。お気に入りだったの。」
「侑斗が着てるやつは父さんが着てたやつだよ。」
「確か3年前は良太郎が着てたのにね。」
「…そうなのか。」
「ええ。」
 不思議な会話をしながら四人は夜道を急ぐ。


「うっしゃー!ゲットーー!!」
 ぱこん、という音がしてぬいぐるみが下に落ちる。
「…当たらない。」
「…源太、母上、使いすぎには気をつけてください。」
「あ!丈瑠!こんなところにいた!」
「殿さま、りんご飴食べません?」
「丈瑠ー。そろそろ花火始まるぜ?」
「殿!!見てください!!」
 射的に夢中になっている薫と源太。そんな二人を見ていた丈瑠の元に、四人が走り寄ってきた。
 ことははりんご飴、茉子はわたあめ、千明はタコ焼きを持っているところを見るとそれぞれ食べ物を手に入れてきたようだ。
 そんな中、流ノ介の手には何故か大量の金魚。
「…流ノ介。その金魚は」
「すくいました!去年から特訓をつんだかいが!」
「飼えるのか?」
「はい!」
 まあそれならいいか、と丈瑠はそれ以上突っ込まない事にする。
「それよりさ、もうすぐ花火があるんじゃないの?」
「ああ、そうだな。見に行くか。母上、花火があるようです。」
「花火か。それは良いな。」 
 薫が満足げに頷く。


「ねーねー、花火、まだー?」
「もうすぐだよ、リュウタ。もうちょっと待って。」
「がー…。」
「あれ?クマゴロウが寝てるぞ?おーい、花火始まるぞー?」
「うるせえよおデブ!静かにしてろ!」
 デンライナーの窓から5体のイマジンが、花火を今か今かと待ち構えていた。
「先輩、静かにしてようが騒がしくしてようが花火は上がるよ?」
「わかってらい!」
「はーい特製ドリンク、お待たせしましたー!」
 カウンターから出てきたナオミがカラフルな飲み物を配り始める。
「わーい!」
 リュウタロスが窓から離れたとき。
 ひゅるるる…という音が聞こえた。
「リュウタ、花火がはじまっとるで。」
 キンタロスの声の後、どーんという大きな音がした。
「あー!始まっちゃった!」
 リュウタロスが飲み物を持ったまま窓に戻る。
 ウラタロスやモモタロス、デネブとキンタロスも窓の向こうを見た。
 そこには赤や青や黄色や緑や紫やピンクやオレンジや…色々な光が空を彩っていた。


 どーん、どーんと花火は上がる。
 その花火を、火の化身である鳥は知らない。
 その鳥は、昼の時間を自由に飛ぶ。
 その鳥は、昼の空間を自由に飛ぶ。
 「自由に飛ぶ。」それは永遠の約束。
 それは遠い遠い昔の話。
 誰もが忘れた、昔の話。


「わ…。」
 どんどんと上がる花火を見上げる。
「綺麗やなあ。」
「ああ!やはり夏の風物詩と言えば花火だな!」
「やっぱ日本はこうでなくちゃな!」
「うっわ!さっきのやつすごかったな!」
「本当、綺麗ね!!」
 はしゃぐ六人の横で丈瑠はぼんやりと考える。
 去年の今頃。また夏祭りに来ようと言っていたあの頃は。
 こんな『未来』を想像してもいなかった。
 こんなに楽しい日々なんて、思いつきもしなかった。
「綺麗だな。」
 つぶやいた言葉は小さく、それでも皆に届いたらしく、皆をいっそう喜ばせた。


「いやー見事な花火ですね!」
「もちろん愛理さんの美しさには敵いませんけどね!」
 またバチバチと火花を飛ばし合う二人の横で、愛理も楽しげに花火を見上げる。
「すごい!おっきいね!」
「ああ。…星みたいだな。」
 その声に良太郎は二人を誘って良かったと笑う。
「良ちゃん、覚えてる?三年前の花火の時。」
「うん。あの日は朝から喧嘩して…。」
 思い出して、顔を見合わせて、笑い合う。
 そんな姉弟の様子は、とても、とても、幸せそうだった。


「殿!また来年も参りましょう!」
「いいわね、毎年ここに集まるの!」
「で、『去年は変な奴らにあったなー』って喋るんだろ?なんか同窓会みたいだな。」
「同窓会ってうち行った事あれへん。おもしろそう!」
「おう!いいな!あいつらにもまたひょっこり会えそうな気もするしな!」
「…次は私も時の電車に乗りたい。」
「いや、今回は結局乗れなくて…。」


「ねえねえ、今日会ったあの変なやつら、また会えるかなあ?」
「さあねえ。旅を続けてたらどっかで会うかもよ。」
「こんどは寿司を食わせてもらわな…がーっ。」
「話の途中で寝るんじゃねえ!ま、縁があったらそのうち会うだろ。」
「わぁーっ!モモタロちゃんが難しい言葉使ってるー!」
「うん、次はもっとおいしいキャンデーを用意しないと!」


「母上。もう帰りますよ。」
「…わかった。」
 すねた調子の薫にことはがりんご飴を差し出す。
「お姫様、これ、美味しいですよ!」
「わたあめもいる?」
「たこ焼きあるぜ?」
「…しまった!!金魚は食べられない!!」
「そんなにいっぱい屋台が出ていたんだな。もっと回ればよかった。」
「また来年があるでしょう。」
 丈瑠の声に、全員が丈瑠を見た。
「また、来年。…皆で、来よう。」
 その声に、笑顔がこぼれる。
「よぅーし!じゃ、あと一発だけ花火見て帰ろうぜ!!」
「ああ。そうするか。」
 一同は、並んで空を見上げた。


「あ、花火終わっちゃった…。」
「愛理さん、私が送って」
「何を…僕に送らせてください!」
「ありがとうございます。でも、良ちゃんも桜井君もいるし、大丈夫ですよ。」
 ね、と愛理が二人を見る。
「そうだね…僕はあてにならないかもしれないけど、侑斗がいるし。」
「えー…じゃあ、来年もまた見ましょうね、愛理さん!!」
「そうですね、来年も、皆で見に来ましょう。」
 三浦&尾崎と別れて、四人はミルクディッパーへと歩き出す。
「…あ。星が見える。」
 ぽつりと侑斗が呟く。四人は花火の為でなく夜空を見上げた。
「本当だ。綺麗に見えるね。」
「桜井君は花火より星空の方が好きなのよね。」
「………はい。」
「じゃあ、また見に行きましょう?」
 夜道でもわかる真っ赤な顔に、良太郎とハナは顔を見合わせて、笑う。
 花火の後の夜空は、暗闇では、ない。


 例え、もう二度と時間がすれ違わないとしても。
 例え、もう二度と空間で出会わないとしても。
 この出会いは。
 この夏の一日は。
 忘れないと。
 そう誓うように。
 その日の夜空に輝くモノは、記憶でずっと輝き続けた。

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