月草雑記帳

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創作文章(特撮系)


『Tの記憶/ハーフ&ハーフ』Bパート


とうとう最終ブロックですよ…!
これが終わった後、「あきなが」は一体何を書けばいいのやら…。
いや、考えてます!大丈夫ですしばらくは!…リクエスト募集中ー。


では次作予告。
<風都に降り立った良太郎。>
<そこで見る者、出会う者。>
<全てを風が運ぶ街、風都で良太郎に運ばれるものは?>
<そして、知られざる気持ちを救いたい。>
<そう願う時、風が何かを教えてくれる…?>
<『Tの記憶』裏側でもあるもうひとつの物語。>
<超・電王捏造『時間旅行の本』。>
<よろしければ、お楽しみに!>


では、ラストパート。
行ってみましょう!

『Tの記憶/ハーフ&ハーフ』Bパート


 Wとアクセルが攻撃を仕掛ける度に、ドーパントは砂となって崩れ去り、また全く違う所から出現しては砂と化して逃げる。
「ちょこまかちょこまか逃げやがって!」
「攻撃はしてこないが、攻撃が当たらない、か。」
 そう言っているうちに砂がまたアクセルの動きを止める。
 急にとまったアクセルにWがぶつかった。
「…。」
「悪い。」
「…スピード勝負なら受けて立つ。」
 アクセルが青いメモリを取りだす。
 砂がアクセルに一直線に向かっていく。
「はっ!」
 プリズムビッカーで砂を受け止める。
「やれやれ、結構大変だったよ。」
「フィリップ、こいつの正体は?」
「検索が完了したよ。奴は『トラベル』ドーパントだ。奴を倒すには核を捕え、一撃でメモリブレイクする必要があるね。」
「どうすんだ?」
「簡単さ。トライアルで奴の動きを止め、僕たちでとどめをさす。あの砂は一定期間で人型に戻る。そこを狙おう。」
「ああ。」
『トライアル』
「で?核ってどこだよ。」
「一番動きが鈍い部分さ。」
 トライアルとなったアクセルが、すばやい動きで砂を翻弄する。
 砂はじりじりと人型に戻る。
「見えた。」
『サイクロン!マキシマムドライブ!』
『ヒート!マキシマムドライブ!』
『ルナ!マキシマムドライブ!』
『ジョーカー!マキシマムドライブ!』
 砂が完全に人型に戻った瞬間、アクセルはそこから離れた。
「「ビッカー・チャージブレイク!」」
 Wの攻撃が炸裂する。ぴし、と音がして虹色のメモリが真っ二つに割れた。
 それと同時に、まだ若い青年が地面に転がる。
「よし!」
 亜樹子がぐっと拳を握る。Wとアクセルは、それぞれ変身を解いた。


「やれやれ。電王の方は…っと。もう終わったみたいだな。」
 良太郎と共に、高人が歩みよってくる。
 トラベルメモリの持ち主の青年がぎゅっと目をつぶり、ぐっと拳を握る。
「あの…これ。」
 良太郎が差し出したのは、バラバラに砕けたタイムメモリ。
「僕はもう帰らなくちゃいけないから…後はよろしくお願いします。」
 翔太郎にメモリを手渡して、良太郎はにこ、と笑う。
「ああ。いろいろありがとうな。」
「ううん。こっちこそ、おかげで役目がこなせたから。」
 そう言うと、良太郎がまたパスを取りだす。
 すると後方の空が光り、赤い電車が現れた。
「え…な、何これ!?私聞いてない!」
「これが…時を超える電車か?」
 流石に唖然としている亜樹子と竜に翔太郎が頷く。
「じゃあ、本当にいろいろありがとう。」
 良太郎は躊躇わずに電車に乗り込むと、そのまま電車は走り出した。
「ね、彼、ホントに何者なわけ?」
 問いかける亜樹子にフィリップが方をすくめる。
「とにかく、話は事務所に帰ってからゆっくりしようぜ。」
 そう言って、翔太郎は青年に向きなおった。
「…なんで、高ジイにメモリを渡した?」
「…俺、馬鹿だよな。本当は自分が言いだした嘘のくせにさ。本当に、時間を集めればあいつが、生き返るんじゃないかって…。」
「塔己君…だったね。泰斗の友達の…。」
 青年―塔己が頷き、続ける。
「俺が…俺がちゃんと、待ち合わせに遅刻しなかったら…アイツ、死なずに済んだのかもしれなくて…。」
 ぽた、と地面に涙が落ちる。
「俺、身よりが無くて、金も無くて、泰斗はそんな事気にせず付き合ってくれるすげーいい奴で。…あの日、寝坊して、待ち合わせに遅刻したんだ。走って行ったけど…泰斗、もう、いなくて。」
 ぼたぼたと落ちる涙をふく事も出来ない。
「ごめん…。泰斗、ごめん…。」
 そ、っと高人が塔己の背中に手を置いた。
「高人さん…。」
「泰斗は…。気にする子じゃ、ない。そうか、君も、悲しんでくれていたんだね…。私は、そんな事も見えなくなっていた…。」
 項垂れている塔己にフィリップが近づき、問いかける。 
「君は、どうやって『タイム』と『トラベル』を手に入れたんだ?」
「もらったんだ…もうずっと前…両親が死んだ時…小学二年の時かな…。黒いヴェールをかぶった女に。」
「黒いヴェール?」
 問い返す翔太郎に、塔己が頷く。
「ああ。まるで、外国の葬式に行くみたいな格好だった。」
「で?なんて言ってもらったの?」
 亜樹子の問いにしばらく考えた後、塔己が答える。
「『このメモリは未完成だけど、いつか「特異点」に出会えた時、完成するかもしれない』って言ってたな。」
「特異点に出会えた時?」
「そう。最近、メモリがはやりだしただろ?『過剰適合者』のことを噂で聞いて…特異点がこのメモリ達過剰適合者で、そいつがいればメモリが働くんじゃないかって…。」
「最後にひとつだけ教えてくれ。その女性は…どんな、人だった?」
 フィリップの問いかけに、塔己はしばらく考える。
「顔はよく見えなかったし、もうずいぶん昔だからあんまり覚えてないけど…ただ、泣いていたかもしれない。」
「泣いていた?」
「…そうだ、思い出した。泣いてた。『家族が死んだ』って俺が言ったら『私と同じだ』って…。」
 『貴方も家族を亡くしたのね』と言って彼女は、ベールの向こうに涙を零した。
 だから、あんなに怪しい格好だったのに、不思議と怖くは無かったんだ。
「……。」
「そっか。」
「泰斗…俺、これからどうやって…償えば…。」
「それは…私も同じだな。」
 塔己と高人が呟く。
 二人の声にこたえるように、ぶわり、と風が吹いた。
 上空からの風に何かがひらひらと飛んでくる。
 翔太郎が何かを捕まえ手に取り、見つめた。
 それからそれを塔己と高人に差し出した。
「これからはさ、二人で支え合えばいいんじゃねえの?」
 二人は同時に顔を上げる。翔太郎がにっと笑って見せた。
「こうして出会えたのだって、泰斗のおかげだろ?」
 翔太郎が差し出した写真には、塔己と高人、それに泰斗が笑顔で写っていた。


 翔太郎がカチャカチャとキーボードをたたく。
『事件は解決した。高ジイも塔己も重い罪にはならないらしい。あの2人がまた心から笑えるようになるのは…』
「しっかし謎は深まるばかりね。あの写真といい、2つの『Tメモリ』といい…」
 首を傾げながら、亜樹子がコーヒーを飲む。
「写真については…風都からの贈り物、でいいんじゃないかい?」
 フィリップが空になったコップを置いて答える。
「しかし『Tメモリ』については謎が残るね…。製作側の目的は分かるけど…」
「え?何何?」
「『タイム』…それに『トラベル』。この二つから連想する事は?」
「タイムトラベル…時間旅行!?」
「その通り。つまり、このメモリの製作者は過去か未来に行こうとしていた可能性が高い。」
 それにしても、とフィリップは首を傾げた。
「あのメモリ達はずいぶんと早い段階で製作中止になっていたらしい。」
「製造中止?」
「『実現不可能』とみなされたらしいね。しかしどうしてミュージアムはそんなメモリにこだわっていたんだろう…。」
「なあ、フィリップ。ひょっとしたらそれ、お前の親父が欲したメモリなんじゃねえのか?」
「え?」
「…十三年前に死んだお前を助けに行きたくて」
「まったく、君はハーフボイルドだね。あの人がそんな事をすると思うかい?」
「…。」
「あれだけやられておいてそんな事を言えるなんて、ある意味君を尊敬するよ。」
「フィリップ…。」
「まあ、もしそれが真実だとすれば…。」
「すごく、嬉しいけどね。」
 口の端を上げて笑うフィリップに、照井がぼそりと呟く。
「『タイム』と『トラベル』はそれだけでは不完全。お互いが存在して完璧な存在になる、か。」
「それ、なんかWみたいよね。」
「…Wのベルトのアイデアは、ここから来ているのかもしれないよ。」
 フィリップが呟く。
「へえ。それは検索の結果か?」
「いや?僕の探偵としてのカンさ。」
 にっ、と笑いあう二人を、亜樹子と照井が微笑んで見物していた。

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~ Comment ~

NoTitle 

素晴らしいコラボ長編でした。
何だか普通に感動してしまいましたよ。リオンさんは涙腺の破壊者ですね。
Wの探偵成分と、電王の人助け成分が実にうまくマッチしているかと。話の作り方がお上手と言いますか。
 作り方以上に、ラストをはじめとして全体の空気が優しいと言うのが個人的に実に好感触です。

これは良いものを読ませてもらいました。

ジェリドと私さんへ 

コメント&お褒めの言葉、ありがとうございます!
感謝感激です!私の方こそ涙腺崩壊しそうです。

Wの探偵要素はなかなかに難しい事がわかりました。ミステリー作家さんは凄いです。
種明かしもどこまでして良いのやら…難しいですね。
電王編というか裏側もありますので、よろしければ補足程度にそちらもご覧になってくださいませ~。

ジェリドと私さんのコメントにはいつも意欲をいただいております。毎度毎度、ありがとうございます!!
まだまだ書いて行きますのでどうぞよろしくお願いします。
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