月草雑記帳

スポンサー広告


スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



TB(-) | CO(-)  *Edit

電王捏造文章


『時間旅行の本』六話


とうとうここまで参りました。


さて、またしても次作予告と参りましょう。


<時の中の一台の列車。>
<そこから漂う不思議な香り。>
<その香りの正体とは、何か。>
<秋の祭りが今、幕を上げる…。>
<久々の完全ギャグ捏造が登場!>
<君は、突っ込みきれるのか…?>
<次回、電王捏造『ハッピー・ハロウィンゼロ組巻』>
<お楽しみに!>


というわけでギャグです。
そして電王捏造と書いといてまたゼロ組だったり。最近私、贔屓してないか…?
なにはともあれ、本物の「電王捏造」は以下にございます。
興味のある方のみ、どうぞです。



『時間旅行の本』六話



「どりゃあ!」
 タイムは的確な動きでデンガッシャーをさばいていく。 
 しかし後ろの壁との距離はじりじりと迫っていた。
「うらぁ!」
 ふっと下に避けたかと思うと、左脇をすり抜け、後ろから蹴りを放たれる。
「いって!」
 ぶん、とデンガッシャーを横に払う頃には既にまた右側へと移動していた。
『強いね…空手家さんみたいだけど…』
「はっ!そんなもん関係ねえ!」
 ばし、と壁にデンガッシャーを叩きつける。
 崩れた壁がタイムに迫る。
 タイムがそれを細かい動きでさばいていく。電王が後ろに回り込んだ。
「よっしゃもらったぁ」
 パスをチャージしようとした時。
『モモタロス!ストップ!』
 電王の手が止められる。
「ああ?なんだよ!?」
『相手は人間なんだから、必殺技なんて危ないよ!』
「はぁ?…じゃあどうしろって言うんだよ!」
『ウラタロス、代わって!』
『了解。』
「待てカメ公…」
『ロッド フォーム』
 声もむなしく、モモタロスは良太郎から追い出される。
 代わりにウラタロスが憑依し、電王はロッドフォームへと姿を変えた。
『ウラタロス、この人が』
「わかってるって良太郎。ま、任せといてよ。」
 そう言いつつタイムの目の前に華麗な蹴りを放つ。タイムは真横に跳び、距離を取った。
「泰斗君って人?あなたがドーパントになったきっかけは。」
 タイムは動かず、じっと間合いを取っている。
「状況から推測するに、死んじゃったお孫さん…とか?」
 顔部分についたアナログ時計がカチカチと音をたてる。
「気持ちはわかるけど、お孫さんの為に暴れるのは」
「お前に…何がわかる!」
 タイムが勢いをつけて突っ込んでくる。電王がそれをデンガッシャーで受け流しながす。
「あの子はもういないのに、季節は巡る。周りのものも忘れていく。時間は過ぎる。こんな事が、あってもいいのか…!こんな、事が…!」
 ひゅん、と蹴りが放たれる。それをデンガッシャーで受けて、電王は後ろへ逃げた。
「あって…たまるか…!」
『やっぱり…メモリを壊すだけじゃダメだよ。』
「かもね。でもいったいどうしろっていうの?」
『…一回だけ、説得させてくれない?』
「どうせ駄目って言ってもするんでしょ?」
 そういうと電王はタイムから距離を取り、ベルトをはずす。
 変身を解いた良太郎がタイムと向き合った。
「なんだ?負けを認めるのか?」
「どうして怪人になったの?」
 良太郎の問いに、タイムが立ち止まる。
「お孫さんに過去でもう一回会いたいから?それとも、お孫さんを生き返らせたいの?」
「…何を」
「ただ会いたいっていうなら…その気持ちは、なんとなくわかります。僕にも孫がいるけど、居なくなったら、すごく、寂しいと思うし。」
 外見からすると孫どころか子どももいるのはおかしい良太郎の発言に、タイムが戸惑う。
「孫?」
「はい。」
 しばし沈黙が流れる。
「…私は、ひとりで」
「あなたは、ひとりなんかじゃないし。」
 タイムの言葉を遮り、良太郎が続ける。
「それに、生の時間と死の時間は絶対に交わらない。」
 良太郎の脳裏に浮かぶのは、死の時間を走る幽霊列車。
 幽霊列車とデンライナーのレールは、決して交わらないだろう。
「だからあなたのやってることは」
「煩い…煩い煩い煩い!」
 ざっ、とタイムが間合いを一気に詰めてくる。
「お前に、お前に」
 その拳を、良太郎がしっかりと受け止める。
 キンタロスが憑依した良太郎はそのままタイムを投げ飛ばした。
「強い相手と戦うんは俺の役目やろ!」
『キンタロス…お願い。』
「任せとき!」
 パスを使い、電王アックスフォームへと変身する。
 再び殴りかかってくるタイムに張り手を食らわせる。
 一瞬ひるんだタイムはそれでもその伸ばされた手を踏み台に、電王の後ろを取る。
「えいっ!」
 タイムの蹴りが電王の頭を狙う。咄嗟に屈んで避けた電王はそのまま足払いを食らわせようとする。
 しかしその時には既に間合いを取られていて、足が届かない。
 一度距離を取ったタイムはまた電王に向かって突っ込んでくる。
 今度は電王がそれを右に受け、ついでとばかりに振り回す。
 振り回され、宙を飛ばされたタイムは壁に垂直に着地し、また電王に向かって飛ぶ。
 電王はその頭をつかみ、地面にたたきつけた。
 タイムは地面を少し砕いて、ようやく動きを止めた。


『…キンタロス、やりすぎじゃない?』
「そんなことはあれへんはずや…。」
 タイムがごろんと仰向けになる。『T』のメモリを自分から取り出す。
「こんな手合わせは…泰斗が居なくなって以来だ。」
 寝転んだ老人は空を見て、少し笑顔を見せた。
「悪くない気分だ。」
「…俺もや。」
 電王の言葉にふ、と息を吐き、老人は起き上がった。
「片を、つけてくれないか。」
 老人が差し出したメモリを、電王が受け取る。
「オーナーとの契約、完了やな。」
 ばきり、と何かが壊れる音がした。
 電王の手の中で、『T』のメモリはバラバラに砕け散った。
 電王がベルトをはずす。良太郎は自分の手に握られたバラバラのメモリを見る。
『良太郎。オーナーが早く戻っておいでって!なんかね、未来に長い間居ない方がいいって。』
「わかったよリュウタロス。すぐに戻る。」
 悲しんでいる人をほっておくのは辛いけど…もう僕には何も。
「ここは過去じゃない…」
 そう呟いた瞬間、気付いた。
 此処が未来と言う事は。
「…僕にできる事を。」
 ぐ、と砕けたタイムメモリを握る拳に力が入った。
 老人と共に翔太郎達の方へと歩く。
 そこには翔太郎とフィリップ、竜と亜樹子の他にあの虹色の怪人だったであろう青年が居た。
「あの…これ。」
 バラバラに砕けたタイムメモリを翔太郎に差し出す。
「僕はもう帰らなくちゃいけないから…後はよろしくお願いします。」
「ああ。いろいろありがとうな。」
「ううん。こっちこそ、おかげで役目がこなせたから。」
 パスを取りだし、デンライナーを呼ぶ。
「じゃあ、本当にいろいろありがとう。」
 良太郎を乗せて、デンライナーは走り出した。


「良太郎!お疲れ様!」
 デンライナーに入るとハナが駆け寄ってくる。
「うん。ちょっと疲れたかな。」
「全く、結局キンちゃんがおいしいとこもってっちゃうし。あ、そうそう、ひとつ言い忘れてたんだけどね?良太郎。」
 ウラタロスが声をかけてくる。
「何?」
「あの『地球の本棚』に入った時、良太郎が小さくなった原因を調べられないか試してみたんだ。」
「…え。」
「カメ公、お前そんなことしてたのか?」
「ま、ね。でも駄目だった。読めなかったよ。」
「なんや字ぃが歪んどったんや。」
「…そっか。」
 落ち込んだような、ほっとしたような顔になる。
 それからぐっと顔を上げ、オーナーと向かい合う。
「あ、の、オーナー。お願いが…。」
 す、と電王が拾ったボロボロの写真を見せる。
「うっかり持って来ちゃって、汚しちゃったんです。たんです。だから、返したいんですけど。…代わりの写真を。」
「デンライナーから降りないというのなら、構いませんよ。」
「ありがとうございます。」
「良太郎、写真って?」
「これ。」
 良太郎がポケットから取り出したのは、二人の青年と一人の老人が笑う姿。
「2010年の東京で僕のミニSDと入れ変わっちゃったものなんだ。」
 真ん中にうつる青年を指して、ハナが驚いて良太郎を見上げる。
「これ、あの子…。」
「だよね。メモリの力で、思い出が幻影になって現れてたのかも。」
 フアーン、とデンライナーが停車する。
「ミニSD壊れちゃったし。写真だけでも…と思って。」
「…ちゃんと届くのかな?」 
 ハナが呟く。
 ドアを開けて、良太郎が手に持っていた新しい写真を放す。
「風都って、風の街なんだって。」
 写真はひらひらと街に向かって飛んでいく。
「幸せも不幸も、風が運ぶ街。だから…きっと。」
 上空から赤い電車が、写真の行く末を見守っていた。

スポンサーサイト


TB(0) | CO(0) *Edit

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。
 ◆Home  ◆作品*  ◆All  ◆通常ブログ画面  ▲PageTop 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。