月草雑記帳

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創作文章(特撮系)


『大渦』――旅人と男と青空――


みなさんこんにちは。…ん?こんばんは?ひょっとしたらおはようございます。
新シリーズ『大渦』、始動でございます。
『大渦』はー、オリジナルっぽい感じで実は捏造です。
ていうかコラボです。
しかもほぼ書いた事ない捏造という。
何の捏造かは、わかる人はわかると思いますがわからなくてもまあ大丈夫です。
というか…●●●●で気付くかな?


とにかく。
これはネタが浮かんで消えなくなったものなのですが。
書くにあたってすごい緊張してます。
なにしろ…記憶があいまいすぎて。
口調とか性格とか変わっちゃってるかも…。
というわけでとりあえず終わるまでは何の捏造か明かさない事にします(苦笑)。


では、ひょっとしたらいつもとちょっと雰囲気違うかもな捏造。
よろしければ、どうぞです。









 それはいつかの秋の事。
 どこかの国に、一人の男がいた。
 カラフルな服を着込み、伸びた髪は適当に切っているらしくぼさぼさしている。荷物も持たず、誰とも視線を合わさず、ふらふらと移動している。
「あの…ひょっとして日本人?」
 日本語で声をかけられて、男は振り向いた。
 そこにいたのは、自分より年齢が上らしい旅人風の男性だった。
「はい、そうですけど。」
「あ、やっぱり?自分以外の日本語聞くの久しぶりだなー。」
「俺もです。」
「で、こんなところで何してるの?」
 にこにこと問いかけてくる旅人に、男はうつろな瞳のまま、答える。
「何も。」
「そっか。」
 笑ったまま、旅人はそう答えた。
「時間ある?ちょっとお茶とか飲まない?日本茶あるんだ。」
「はぁ…。いただきます。」
 旅人に連れられて、男は日陰に入った。


「良い天気だねー。」
「…そうですか。」
 驚くほど青い空の下、旅人はカバンから水筒を取りだし、緑茶を注いだコップをとこに渡す。
「はい。」
「…あ、どうも。」
 緑茶を一口飲む。ぬるくなったそれに、特に味は感じなかった。
「…あなたは、何をしてるんですか?」
「ん?俺?んー…ぶらぶらしてる。」
「それは、見ればわかります。」
「だね。」
 ふう、と緑茶を飲みきった旅人が空を仰ぐ。
「良い天気だー…。青空を見てるとさー、なんか元気にならない?」
 男はコップを見つめたまま答えた。
「…どうかな。」
「日本にはさ、どれくらい帰ってないの?」
「…もう、忘れました。」
「そう。…そろそろ帰ってみたら?」
 怪訝そうな顔で男が旅人を見る。
「なんか良い事あるかもよ?」
 旅人は視線を空から動かさない。
「…あなたは、帰らないん、ですか?」
「俺?…そうだな…そろそろ帰っても良いかな…。気が向いたら帰るよ。」
 ガサガサと荷物をあさると、旅人は小さな包みを取りだした。
 そこにサラサラと文字を書きこむ。
「コレさ、日本に帰ったらポストに入れといてよ。」
「…はあ。帰らないかもしれませんが。」
「ま、その時は、その時。」
 男に包みを手渡す。
 男が受け取った事を確認して、旅人は立ち上がった。
「さて、そろそろ行こっかな。」
「今度はどこへ?」
「あっちの方。」
 そういって旅人が一方向を指さした。
 男が息をのむ。
「あっちは…今…」
「知ってるよ。」
「じゃあ…なんで」
「だから行くんだ。」
 さっぱりと言いきって、旅人はまた空を見上げた。
「どうしても辛い事があったらさ、とりあえず空…特に青空。見上げてみなよ。絶対笑顔になるから。」
 視線をゆっくりと男にあて、旅人は満面の笑みで笑って見せる。ぐっと右手の親指を立て、男につきだす。
「ね?」
 男は荷物を抱えたまま、初めて旅人と視線を合わせた。
「じゃあ、またどこかで。」
 男がそれに答えられずにいると、旅人は返事を待たずに指した方向へと歩いて行った。
 男はそれを、何も言えずに見つめていた。


 旅人が去った方向から来た男は、手にもった包みを見つめた。
「ずっと持ってても荷物になるだけだし。帰るか?」
 そうつぶやいて、男は旅人と違う方向へ歩き出す。
 今はまだ、戻れない。
 でも、いつかきっと。
 いつか戻れるその日まで。
 とにかく今は…
「帰ろう。」
 思い切って空を見上げてみた。
 ひとりの男の表情が緩む。
「本当、良い空だな。」


―――旅人と男と青空―――

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