月草雑記帳

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創作文章(特撮系)


『大渦』――学者と男と珈琲――


またまた大渦です。
前作、いかがだったでしょうか。
誰の捏造かわかりました?
まあわからなくても良いんですけど。


「大渦」、個人的にはとっても気に入ってます。
こういう文章好きみたいです。
いや、「いつものとどう違う」と言われても困りますが。


さてさて、今回は誰が登場するのでしょう。
いやまあサブタイに書いたけど。
そして…口調とかすごい悩んだ。
でも基本的に男前だと思って書いてます。


では、お付き合いくださる方のみどうぞです。




「あー!ちょっと!捕まえて!」
 日本語が聞こえて、男が振り向く。
 すると丁度走ってきた若者も余所見をしたらしく、2人は勢いよくぶつかった。
「いってて…ん?」
 男が手元に落ちていたカバンを拾う。
 それを見た若者は舌打ちをすると立ち上がり、どこかへ走り去った。
「助かった~あ、It is my bag. Thanks」
「あ、日本語大丈夫ですよ。」
 男が言うと、カバンの持ち主らしい女性はにこりと笑った。
「あら、貴方日本人?」
「はい。」
「ありがとう、カバン取り返してくれて。」
「いや~たまたまですけど。」
 男が女性にカバンを渡す。
「本当、助かったわー。このカバン、結構重要書類が入ってるのよね。」
「そうなんですか。」
「うん。まぁ一般の人が読んでも内容わかんないかな。」
「…あの、何してる人なんですか?」
「あ、私?研究者って言うのかな…学者よ。日本の大学で研究してるんだけど、この国に関連した遺跡があるかもって事で見に来たの。あなたは?何してる人?」
「…何も。」
「ふぅん。」
 それだけ言うと、学者はまた笑って言った。
「今時間ある?良かったらカバンのお礼にお昼ご馳走するわ。」
「ありがとうございます。」
「じゃ、あそこの店でいいかしら?」
「はい。」
 申し出を受けた男が、学者の後に続く。


「おいしい?」
「っと…甘いです。」
 食後の珈琲とお菓子を食べながら、二人は向かい合って座っていた。
 男の目は、目の前のコーヒーにのみ注がれている。
「ふふ、それはそうね。この国のお菓子は日本人にはちょっと甘すぎるわ。」
 そう言いながら学者はブラック珈琲を飲む。
「この国に、ずっと?」
「いや、最近来たばっかりです。…日本に、ちょっと帰ろうかなって。」
「あら、そうなの?それにしては表情が暗いわね。帰りたくない?」
「そうじゃなくて…あの…。」
 一拍置いて、男は答える。
「誰の役にも…立てないから。」
 その声に一瞬きょとんとする。
「この世界に居てもいいのか…ちょっと、不安になってて。ていうか、居ちゃだめなんだって…あ、すいません。」
学者はず、と身を乗り出してきた。
「ね、誰からもお世話にならない人間っていると思う?」
 突然の脈絡もない質問に、男はしばらく考えてから答える。
「…いない、かな?」
「正解。じゃあさ、誰の役にも立てない人間なんていないと思わない?」
 自信満々に言い切る学者に、男は戸惑う。
「それは…綺麗ごとじゃ、ないですか?」
「かもしれないわね。でも、綺麗ごとで生きていける世界だったらいいなあって思うのよ。」
 すっと身を引き、学者はまた珈琲を手に取る。
「それだけ。気にしないで。」
「…何か、あったんですか?昔。」
「んー…ま、いろいろあったわね…。たった一年くらいの事だったけど、人生観も変わったし、いろいろ考えさせられたわ。辛い事も悲しい事も沢山あった。でも、得たものも多かったのよね。」
「何を、得たんですか?」
 にこ、と笑って学者が答える。
「仲間と自信…かな?」
「仲間と…自信?」
「そ。私の研究だって、ただの役立たずじゃないっていう自信。それから、一生の宝物。」
 がた、と学者が席を立つ。
「良かったらなんだけど…あなたも日本で探してみたらどうかしら?」
「俺に…仲間?」
「ええ。何かが変わるかもよ?」
 そう言うと学者は伝票を取る。
「じゃ、カバンと、オバサンの話に付き合ってくれたお礼はちゃんと払っておくわね。」
「あ…っと、ありがとうございます。」
 学者がすたすたと店を出ていく。残された男は珈琲を飲みほして、窓から外を見た。
 そこに広がるのは、ただの青い空。
「綺麗ごとか…俺にはまだ言えないな。」
 そう言うと立ち上がり、唯一の荷物である包みを持った。
 口元には、笑み。
「いつか言えるようになるかな?」
 店から出て、歩き出す。
 向かう場所は、同じ空の下。
 ただ青いだけの空の下。
 誰かと、出会えるかもしれない。
 そんな希望を持てそうな青い空の元。


―――学者と男と珈琲―――

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teddyさんへ 

コメントありがとうございます!
クウガ&000、正解です!
しかし確か桜子さんは別に幼馴染じゃないし彼女じゃないですよ(笑)。

映司は多分考えたんじゃないかな~と。
次回とその次で過去が明かされるらしいので、間に合ってよかったです(苦笑)。

CD,とりあえず買いますよ。侑斗の声を期待して←え

「VS」は…ゴセイがなあ…行くかは微妙です。
リクエスト、頑張ってます!
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