月草雑記帳

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侍戦隊捏造文章


『突撃家臣飯』中編


中編でーす。
相も変わらず長いです。
やっぱり七つくらいに切った方が良かったかな…。あんまり長いのも…ねぇ。
そして八割方セリフという。…我がブログではよくあることですね。


さて、今回は誰が出るんでしょうか。
そして母上の目的は。
基本的に前編と同じノリで進みます。
それでもよろしければどうぞです。


『突撃家臣飯』中編


 稽古をすること二時間。
 丈瑠と薫は池波家を後にした。
「母上。用事とはこの事だったんですか?」
「一つ目はな。」
「…え?」
「それより丈瑠。次に行くぞ。」
「次?次って」
「細かい事は気にするでない。」
「細かくないです!
「なら…稽古して小腹がすいただろう。」
「いえ別に。」
「おやつを食べに行くぞ。」
「話聞いてましたか?」
「ほら、さっさと歩け。」
「…はい。」
 何かを諦めたような顔で、丈瑠は薫の後に続いた。
「よう、姫様、丈瑠。久しぶり。」
「千明…。」
 当たり前のように千明の家にやってきた薫はずかずかとあがりこむ。
「準備はできておるのか?」
「ああ、ちゃんと目の前で焼いてやるよ。」
「楽しみだ。」
「何をするんだ?」
「え?丈瑠が手紙寄越したんだろ。」
 千明が手紙が入っていたらしい封筒を見せる。丈瑠がそれを受け取った。
「じゃ、入って右だから。」
「…母上。よく此処まで俺の筆跡真似れましたね。」
「母を甘く見るでない。それに、お前も私も同じ手本で訓練していたのだ。そう違わない。」
 それは違うだろうと言いたかったがさっさと先に進んでしまった薫を追いかけて、丈瑠も中へとはいって行った。


「おお!これがぱんけーきか!」
「お姫様マジで食った事ないんだな。」
「ああ。丈瑠はあるか?」
「………すごく、小さい頃に何度か。」
「そうか。千明、まだ焼けないのか?」
 谷家の居間。
 ホットプレートの上にあるパンケーキがぷつぷつと音を立てる。
「もうちょい待てって。丈瑠も座れば?」
「千明!これはひっくりかえすのか?」
「そう。お姫様、やる?」
「良いのか!」
 なんだかとっても蚊帳の外の様な気がして、丈瑠は物珍しげに千明の家を眺める。
「丈瑠、なんだよ。狭いってか?」
「いや…普通の家に入るのはずいぶん久しぶりな気がしてな。」
「あーまあそりゃな。谷家だって本家はでかいんだぜ。ウチは親父の仕事の都合でここ住んでんだけど。」
 器用にパンケーキをひっくり返し、バターとはちみつを添えて丈瑠の前に置く。
「ほら。ナイフとフォーク。」
「あ、ああ。」
「千明!早く私にもやらせてくれ。」
「はいはい。」
 薫がパンケーキをひっくり返す隣で、丈瑠は完成品を頬張る。
 昔々に食べた、懐かしい味がした。
「ど?結構いけるだろ?」
「…ああ。」
 にか、と千明が笑う。
「うし、じゃあ丈瑠、これヨロシク!」
 どん、と丈瑠の前に本を何冊か並べる。
「千明。なんだこれは。」
「古文と漢文の問題集。答えなくしたんだ、解いてくれ。」
「なんで…。」
「丈瑠、解いてやるがいい。」
 薫の声に薫を見ると、薫は幸せそうにパンケーキを食べている。
 ひとつため息をついてから、丈瑠はおとなしく問題集を開いた。
「母上も手伝ってくださいね。」
「仕方がない。…ん?これしきの問題で良いのか?」
「…ああ。」
 年下にそう言われ、千明は内心傷ついた。


 問題集を解き終わり、二人は谷家を後にした。
「勉強をすると疲れるな。」
「なんだかこの後の流れ、想像がつきました。」
「そうか、なら話は早いな。」
 ちゃき、と薫が二枚の紙を取りだす。
「なんですかそれ。」
「知らんのか。新幹線のチケットだ。」
「はあ。」
「京都に行くぞ。」
「やっぱりですか。」
「何か文句があるのか?」
「いや…良いです。」
 もはや突っ込みを入れる気力もなく、丈瑠は薫に着いて行った。


「新幹線というのは案外狭いな。」
「…。」
「ん?どうした丈瑠。乗り物酔いか?」
「いえ…ただ、俺の幼いころの経験からしますと。」
「なんだ。」
「新幹線と言うのは車両ごとに貸し切りにするような乗り物ではなかったと。」
「そうなのか?私は電車に乗る時はいつもこうだ。」
 京都駅に降り立つと、改札前で手を振っている少女が目に入った。
「ことは。」
「殿さま、お姫様!お久しぶりです!」
「元気そうで何よりだ。支度はできているのか?」
「はい!どうぞ、案ないし」
 くるりと方向転換した瞬間に、観光客とぶつかる。
「あ、すいません!」
「…相変わらずだな。ことは。」
 なんだか嫌な予感がして、丈瑠は生唾を飲んだ。


「ウチ、料理なんてしたことなくて…お姉ちゃんに教えてもらったんですけど。」
 ことはの家に着き、さっそく料理が出された。
「おお、なんだか綺麗な色をしているな。」
 出てきたのは、きつねうどん。
「せっかくやから関西のおいしいもの食べてほしくて…。おうどんは、関西と関東で味がちゃうらしいんで。」
「確かにだしが違うな。これはこれでおいしい。」
「そうですね。」
 何故か心からほっとした表情で、丈瑠が答える。
「あ、それからお漬物を…」
 いそいそと立ち上がり、台所からガラスの入れ物に入ったたくあんらしきものを持ってことはが近づいてくる。
「あ!」
 住みなれているハズの家に在る小さな段差に躓く。
 勢いよく人がこける音が響いた。
「「…ことは、大丈夫か?」」
 丈瑠と薫が同時に声をかける。
 ことはは表情を歪めて立ち上がる。
「…だい、じょうぶです…。あの、これお姉ちゃんが漬けたお漬物で」
「わかったもらう。もらうから…。」
「鼻血を止めてこい。」
 薫がそう言い丈瑠が器を受け取ると、ことははおとなしく台所へと引っ込んでいった。
「…相変わらずだな、ことは…。」
「おお、丈瑠、おいしいぞ。」
 さっそくこりこりと漬物をほおばる薫に丈瑠は何か言いたげにしていたが、やがて席に戻った。


「ことは、大丈夫か?」
「はい…。すみません殿さま、せっかく来ていただいたのに。」
「うむ、おいしい昼飯だったぞ、ことは。」
「え、お姫様、ほんまですか!」
「ああ、なんでも申すが良い。」
「じゃあえっと…モヂカラの練習を、手伝ってもらってもええですか?」
「モヂカラの?」
「はい。お姉ちゃんが入院してて…お見舞いにお花を持っていきたいんです。そう言うたらお姉ちゃん、モヂカラ使うてだしてみてって。」
「なるほど…。ほら、丈瑠。指導しろ。」
「…はい。じゃあことは、まずは今までの成果を」
 ことはが美しい花束を出せるようになるまで、しばらく特訓が続いた。 

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