月草雑記帳

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竹華


竹華 「高潔」『想いは雨音の如く』


おはよーございまーす。
今日はバレンタインデーですね!
なるべくたくさん捏造更新していきたいと思いますですよ!!


そして第一弾はまたまた「竹華」です。侍戦隊です。
一応前回のやつの続きですが…呼んでなくてもまあ大丈夫です。
そして相変わらずですけど捏造度が半端ない!!
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっと…。
いろいろ言い訳すべきことはあるような気もしますけど…。
私は書いてて楽しかったのです。


なので、気になる方のみどうぞです!!
さあ、姫様!!出番なのです!







竹華「高潔」『想いは雨音の如く』


 その日は朝から雨だった。
 仕事から帰ってきた丈瑠は、ドアを開けた瞬間に客人が来ている事を悟った。
「…ただいま戻りました。」
 客人に聞こえるよう、大き目の声で丁寧に挨拶をする。
 そして奥座敷に直行し、その場にいた少女に声をかけた。
「母上、いらしていたんですか。」
「おお、丈瑠!帰ったか。」
「お久しぶりです…なんですかその大荷物。」
 学校帰りに寄ったらしく制服姿の薫の隣には、段ボール箱5、6個がどんと置かれていた。
「知らんのか?今日はバレンタインデーだ。」
「ああ…。配るんですか?」
「いや、もらった。」
「全部ですか?」
「ああ!『友チョコ』というらしいぞ!」
 薫が誇らしげに言う。
「『友チョコ』ですか。聞いた事があります。」
「どうせ本物を見たのは初めてだろう?せっかくだから見せてやろうと思ってな。」
 そう言うと薫は立ち上がって、段ボールを確認し始めた。
 す、と薫と同じ制服を着た少女が近寄ってくる。
「香里菜。」
「お久しぶりです、当主様。学校帰りなので制服で失礼します。」
 そう言って香里菜が丈瑠の席にお茶を出す。
「気にするな。いつも母上の護衛、大変ではないか?」
「幼馴染ですし、慣れていますから。」
 黒子の衣装でないので、香里菜は思いっきり喋って笑顔も見せる。
 一方で丈瑠は辺りの黒子と全く同じように扱う。
 谷家の出身である香里菜と、それからもう一人薫と親しい黒子である滝然。
 彼らの素性を聞いた時は驚いたが、今はもうお互いに慣れた様子だ。
「すごいんだな。『友チョコ』と言うのは。」
「…あたしの推測によると半分くらいは本命だけどね…。」
「?」
「いやまあ…気にしないでください。」
「丈瑠!丈瑠!」
 うきうきと薫が呼ぶ。
「なんでしょう。」
「見ろ!私の調べによると半分以上…いや、7割が手作りだ!」
「良かったですね。」
「ああ。」
 薫はニコニコとチョコレートの山を見ていたが、ふと思いだしたようでカバンに手を入れた。
「忘れるところだった。丈瑠。」
「はい。」
「私からのチョコレートだ。」
 簡単に包まれたチョコレートを手渡される。
「…ありがとうございます。」
「お返しは3倍が原則だ。」
「そうなんですか?」
「私はそう聞いた。なあ、香里菜。」
 話を振られて香里菜はにっこりと笑う。
「そうなってるわね。」
 ぐい、と香里菜を後ろから黒子が引っ張った。
「何よ滝然。」
「香里菜。お前、姫や当主になんという事を言うのだ!」
 この黒子こそ、池波滝然。
 姫付きの中で最もモヂカラのある人物である。
「常識を教えただけよ。」
「お前たちのいう常識は世間一般に通っているものではないだろう!!」
 滝然が黒子の衣装を身にまとっているので、二人はこそこそと小声で口論する。
「大体、お前ばかりが四六時中姫の傍にいるのはズルイぞ。」
「しょうがないでしょう?女子高なんだから。悔しかったら教員免許取って高校に赴任して来なさい。」
「それでは同じ授業を受けられないだろうが!!」
「問題はそこじゃないでしょ!?」
「滝然、香里菜。何をこそこそとしている。」
 薫の声に、二人は同時に向きなおり、頭を下げる。
「ここの黒子へのチョコレートは?」
「手配済みよ。」
「そうか。ならばそろそろ帰るとしよう。丹波が心配する」
「殿、失礼します。」
 彦馬の声に、丈瑠が口を開く。
「入れ。」
「姫!」
 聞こえた声に薫が苦い顔をする。
「丹波か。」
「おお、姫、やはりこちらにおいででしたな。」
 丹波が奥座敷に入ってきて、姫に近寄る。
「ここへ寄ると使いは出しただろう。」
「ええ、遅いので様子を見に。おお、これは御当主。」
「久しぶり、だな。丹波。」
「お元気そうでなによりです。」
「丹波。何しに来た。」
「ああ、そうでした。これが家に届きましてな。すぐに届けさせていただこうと。」
 そう言って丹波が薫に二つの包みを渡す。
「…花織と白石からか…おそらくチョコレートだな。丈瑠、うらやましいか?」
「…ええ。」
 自慢そうな薫に反して、何故か申し訳なさそうに彦馬が包みを取り出す。
「あの…殿にも、おそらく同じものが。」
「…ああ、ありがとう。」
 丈瑠が立ちあがってそれを受け取る。
「おお、良かったな丈瑠。これで三つめか?」
「あ、いや仕事先の方にいくつかいただきましたが…?」
 なんとなく答えにくそうに丈瑠が言う。
 ぱっと薫が笑顔になった。
「そうか!流石私の息子だな!よし、丹波、滝然、香里菜、帰るぞ!」
 そういうと薫がさっさと立ちあがって玄関に向かって歩き出す。
「…?」
 首を傾げる丈瑠に、香里菜がそっと耳打ちする。
「息子にちゃんと友達がいて、嬉しいみたいよ。」
「…母上…。」
 にかっと笑って香里菜が丈瑠に包みを差し出す。
「というわけで、私からもどうぞ。」
「あ、ああ、ありがとう。」
「では、お邪魔しました。」
 賑やかな集団が去る。
 話し声の代わりに雨音が大きく聞こえるようになった。
「殿、お疲れさでした。」
「ああ。…部屋に戻る。」
「はっ。」
 いろんな人からもらったいろんな包みを持って、丈瑠は部屋へと戻った。


 自室で、丈瑠は包みを開けてみる。
 食べられないわけではないが、基本的に甘いものは苦手だ。
「茉子やことはまで…律儀だな。」
 お返しはどうすればいいのだろう、と丈瑠は今から頭をひねった。


 夜が少しずつやってくる。
 辺りは暗くなり、そしてまた雨音が大きくなる。
 丈瑠は辺りを一通り片付けて、それからしまっておいた小包を取り出した。
 今朝早くに届いたものだ。
 中を開けてみる。
 入っていたのは、小さめに作られたチョコレートケーキだった。
 口に入れると、甘さが控えてあるのがわかる。
「美味いな…。」
 その優しい味と、作ってくれた人の心が、外に降り続く雨音のように自然に溶け込む。
 ケーキを食べ終わってからも、作り手に想いを向ける。
 いつかきっと、会いに来てくれる人。
 チョコレートケーキのような甘くて、滑らかででもほろ苦いこの気持ちの。
 貴女が会いに来てくれたなら。
 きっとその名を教えてくれるだろうと、想う。

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