『38巻はこんな話が入ってるといいのにな』
ディアルガとパルキアの攻撃を受け、吹っ飛んでしまうダイヤとパール。
目をあけると、静かな森の中にいた。
「いたた…あ、あれ…なんで…」
「時間と空間が歪んでるからじゃないか?」
ほら、と前を示すパール。2人の前には明らかにおかしな渦。
「戻らないと…ダイヤ、いや、ダイヤモンド。いけるか?」
「うん。むーも大丈夫。でもパール…。トラヒコが…」
ボロボロになって踏ん張るトラヒコ。
「…傷薬もないしな。トラヒコ、すまない。」
まだ笑ってみせるトラヒコ。そこへガサガサと音がして、2人は茂みを見た。
「うわぁ…大丈夫ですか?」
「ボロボロじゃないか。何があったんだ?」
現れたのは、一組の男女。
「大丈夫です~。」
「そうは見えないけど…うわ、初めて見るポケモンだ。」
ウィン、と男性はポケモン図鑑を起動。
「へー、マンムーって言うのか。お、『ふぶき』を覚えているんだな。」
「そうだったんだ~。凄いね、むー。」
「でも『ふぶき』は命中率が低いから、使うなら先に『あられ』状態を作ってからの方がいいぜ。」
「はい、ありがとうございます。」
「ちょっとすみません。」
「あんた、トラヒコに何する」
女性はトラヒコに触れ、あっと言う間にトラヒコの傷を癒した。
「な!傷が…治った…?」
「もう大丈夫だよ。」
トラヒコも驚いていたようだが、女性にぺこりと頭を下げた。
「すげぇ…。」
「ぐおおおおおおおおおおおお!!」
唸り声に全員が同じ方向を見る。
そこに現れたのは、ギャラドス。
「あれは…アカギのギャラドス!?」
「まずい、『はかいこうせん』だ…トラヒコ!」
ぐっと身構えたトラヒコとパールの前に男性が出る。
「危ない!」
「大丈夫、ちょっと待ってな。」
にっと男性が笑って見せた。
「行くぜ、フッシー。」
ギャラドスがはかいこうせんを発射する。
ぼん、とモンスターボールからフシギバナを繰り出す。
「ハードプラント!」
めきめきと地面から現れた太い蔦のようなもので攻撃を防ぎ、ギャラドスに一撃を食らわせる。
ずうん、と音がしてギャラドスは倒れた。
「ようし、良くやったなフッシー。ところで、なんでこんなところにギャラドスが?」
男性の声に女性も首を傾げる。
「なんででしょう…ボロボロですし…。」
そんな二人を見ながらダイヤとパールがひそひそと話す。
「『ハードプラント』初めて見る技だ…!でも、わかる。すごい威力だ。」
「あのギャラドスを一撃だもんね~…え、…フッシー?」
ダイヤの脳裏にある一文が浮かぶ。
『タウリーナΩのひみつ。とおいべつのちほうにはタウリーナΩとおなじポケモンをもつさいきょうのトレーナーがいるよ』
「あ、そうだ、みんな、怪我はないか?」
「あの~。」
「ん?どうかしたか?」
ダイヤが男性を見上げる。
この人が。
オイラがずっと憧れていたタウリーナΩのモデルの人だ。
「…ううん。何にもありません。」
パールの頭に疑問が浮かぶ。
「あ、あの…。」
「はい?」
「なんでその…助けてくれたんですか?」
ああ、と女性が森を見た。
「森の気が…意志が。言ってるんです。あなたたちに、頑張ってって。」
森の固い意志を伝えてくれる…
「ありがとうございます。」
なんて強い人なんだろう。
「ところでこの渦、なんなんだ?」
「図鑑で何かわかるかもしれませんよ?」
そう言って男女二人は違う形のポケモン図鑑を取りだした。
「!おい、ダイヤ。」
「うん。パール。」
「この人たちは…。」
「オイラ達と同じ図鑑を持ってるんだね。」
「あ、そうだ、君達何か知ってる?この渦について…。」
「あ、なんだか消えそうですよ。」
女性の声に渦を観る。確かに先ほどより小さくなっている。
「…行かなきゃ。時間と空間を、元に戻すんだ。」
「俺たち、この先から来たんです。いろいろありがとうございました。…戻ります。」
パールとダイヤが渦の中に入ろうとする。
「あ、ちょっと待って。」
女性が麦わら帽子から2枚の羽根を取る。
「これ、持って行ってください。」
「これは?」
「ホウオウとルギア…二匹のポケモンの羽です。これがあれば、時間の中でも無事に移動できるんです。きっと、あなた達の役に立つと思います。」
「へ~すごいね~。」
「いや簡単にもらえるものじゃ」
「いいんです。ね、レッドさん。」
「ああ。イエローがそう言うなら、いいだろ。」
二人の図鑑所有者は、顔を見合わせて笑った。
「「…ありがとうございます!!」」
「なんだかよくわかんないけど…がんばってくださいね!」
「あ、このギャラドスは俺たちが預かっとくから。心配するな。」
「「はい!!」」
二人に見送られ、ダイヤとパールはシンオウに戻っていく…。
―――――
補足。
言わずもがなって言うか文中にも書いたけど、レッドとイエローがダイヤとパールにアドバイスする話。
だってほら!あの羽根使えそうだしさっ!
レッドはきっとダイヤの憧れだからさ!!
以上!ただの妄想でした!!
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