月草雑記帳

ポケモン捏造文章


遅くなった誕生日×2 to黙木様


今日はゴーカイジャーもオーズも面白かったので朝からニヤニヤしてます。
プリキュア終わって即出かけたのですが出先でも反芻して(牛か)楽しんでました。来週が楽しみだ…!


で。
3月3日はポケSPイエローの誕生日でした。
軽くお祝いは言ったけどスルーしました。
3月1日は私が大好きなHP「走れロメオ!」さん4周年でした。
失念していてスルーしてしまいました。


なので。
黙木さんに捧げるレイエ系イエローハピバ文を慌てて書いてみました。
黙木さん!!
しょぼいですが良かったらどうぞお祝いとして受け取ってくださいませ!!
斬るなり貼るなり大丈夫です!!
では、興味のある方のみどーぞ。






『僕の心は君色に染まる』



『イエローへ
 誕生日おめでとう
 レッド』
 三日前に届いたその小さな紙切れを、イエローはぼんやり眺めていた。
 「イエローの誕生日くらいに戻るよ」とレッドが旅に出たのは2月の後半。
 誕生日当日にレッドは戻らず、郵便としてこの紙だけが帰ってきた。
 レッドがいる場所は季節外れの雪で外出もままならないとテレビで聞いた。お年寄りが多いその村に、レッドは時々出掛けては力仕事等を手伝い、いろんな物をもらったり話を聴いたりして帰ってくる。
 そんな彼を尊敬しているし、イエローも何度か行った事があるので村の人達が彼の訪れを楽しみにしているのも知っている。
 だけど。
「会いたかったな…」
 ぽつりと言葉が零れる。そんな主人を見て、ラッタやピカチュウはおろおろと辺りをうろついた。
「あ、ごめんごめん。大丈夫だよ。」
 それに気がついたイエローは2匹の頭を撫でてやる。
「レッドさんを独り占めしたいだなんて、贅沢だもんね。」
 そう言われて2匹が困ったような顔になる。イエローはそれを見て笑う。
「あはは、あんまり気にしなくていいよ。このカードだけでも充分嬉しかったし…。」
 こんこん。
 不意に家のドアがノックされる音が聞こえた。
「はーい?誰だろう…。」
 がちゃ、とドアを開ける。しかしそこには誰の姿もなかった。
「あれ?」
 開いたドアからピカチュウが勢いよく飛び出して行く。
 そしてドアの横にいた別のピカチュウに笑顔で近づいた。
「あれ…ピカ?」
 ドアをノックしたらしいピカチュウ、ピカがイエローに近寄る。
「どうしたの?独り?レッドさんは?」
 一瞬悪い予感がよぎったが、ピカの表情からそうでない事がわかる。
「教えてくれる?」
 そう尋ねるとこくりとピカが頷いた。
「じゃあ…。」
 イエローがピカの頭に手をかざす。ぼう、と光が満ちた。
「…一緒に来てくれって?レッドさんのところに?」
 ピカが満足げに頷く。
「えと…レッドさんまだ出かけてるんだよね?どうやって…っていうかピカ、どうやってきたの?」
 首を傾げる。と、頭上からばさばさと羽音が聞こえた。
 そこにいたのは、一羽のオニドリル。口にくわえていたのは、一つのモンスターボールだった。
「あ、運んでもらったんだ。…じゃあ、オニドリルさん。僕はピーすけに手伝ってもらうから、案内してくれる?」
 イエローの問いにオニドリルが頷く。
「じゃあ、ちょっとだけ待っててね。」
 慌てて手持ちをモンスターボールになおし、帽子をかぶって戸締りをする。
「お待たせ。」
 ピカをモンスターボールに戻し、自分のポケットにしまう。
「ピーすけ、お願いね。」
 バタフリーに抱えてもらって、イエローはオニドリルの案内の元、レッドのいる村に向かった。


「お、イエロー!!」
 オニドリルが行った先には、嬉しそうなレッドがいた。
「レッドさん。お久しぶりです。」
「ごめんなー急に呼びだしたりして。」
「あ、いえ。えっと、ピカ、返しておきますね。」
 イエローがモンスターボールを渡す。
「サンキュ。オニドリルもありがとなー。」
 よしよし、とレッドがオニドリルを撫でる。
 オニドリルは気持ちよさそうにして、それから村の中心に向かって飛んで行った。
「他のみんなも遊んでるから、ピカも遊んできな。」
 ぽん、とピカがモンスターボールから飛び出す。
「あ、じゃあみんなも。」
 イエローも手持ちを次々と放す。
「イエロー、じゃあ、ちょっと良いか?」
「あ、はい。あんまり村から離れちゃだめだよ?」
 イエローがポケモン達にそう言い聞かせてから、二人は村の外れに向かって歩き出した。


「あの…レッドさん。」
「ん?何?」
 歩きながら声をかけてはみたものの、自分が何を言いたいのかがわからず、イエローはなんでもないです、と呟いた。
「イエロー、川がさ、増水してるだろ?」
 ほら、とレッドが道端の川を指す。
「あれ全部雪解け水なんだってさ。ここ2日くらいで一気に解けたから水かさも一気に増してさ。結構危ないんだ。」
「すごい雪でしたからね。」
「うん。っていうかもう吹雪?3日くらい村から出られなかったもんな。」
「…レッドさん。」
「?何?」
 呼んでしまってから、後悔する。
 ボクの誕生日は、カード一枚ですまされてしまうものなんですか?
 そう聞きたかったけど、怖くて聞けなかった。
「えっと、何処に行くんですか?」
「ああ、もうすぐ…ほら、見えてきた!!」
 レッドが正面を指さす。
 その光景に、イエローは息をのんだ。 
「すげーだろ!?昨日一斉に咲いたんだ。」
 そこは、赤と黄色の花園だった。
「すごい…。」
「この辺りにしか咲かない花なんだってさ。しかも一週間くらいしか咲かないんだって。」
 近寄って、しゃがんで、見てみる。
 一面に咲いたその花は4つの花弁を持ち、外側はほのかな黄色、それが中心に向かって少しずつ赤色に色づく美しい花だった。
「これ見たとき、もう絶対イエローに見せなきゃ、って思ってさ。」
 先ほどまで考えていたことが全部吹っ飛んで、イエローはその花を眺めていた。
「でさ。」
 がさがさとレッドがポケットから小さな包みを取り出す。
「はい、遅くなったけどコレ、誕生日プレゼント。」
「…え?」
 イエローが顔をあげる。レッドがにこ、と笑った。
「本当は当日にちゃんと渡したかったんだけど、思ったより時間くっちゃって。カードしか間に合わなかったんだ。」
 簡単に包まれたそれを開けてみる。それは、今目の前に咲いている花を模ったブローチだった。
「うわぁ…かわいい。」
「だろ?それ、この村の名産品なんだ。俺もちょっと作るの手伝ったんだぜ!」
 ほらここ、とレッドがブローチの裏面を指す。
 イエローがひっくり返してみると、そこには「to yellow」と彫られていた。
「…レッドさん…今まで…これを?」
「うん。でもなっかなか上手にできなくてさー。おばちゃんには『センスない』って叱られるし。」
 たはは、とレッドが笑う。
「でも、表はおばちゃんのお墨付きだからさ、良かったら使って」
 そう言い終わる前に、イエローは胸元にそのブローチを付けた。
「…似合いますか?」
 胸を張って、そう聞いてみる。
「…うん、すっげーよく似あう!」
 花園の中で、二人は顔を見合わせて笑い合った。





おまけ




「ね、レッドさん。」
「何?」
「あの花の伝説、知ってますか?」
「伝説?何それ。」
「知らないなら、内緒です。」
「えー?」
 レッドが不満そうに眉をひそめる。
 イエローは数歩先を歩いて、村の人に聞いた伝説を思いだす。


『この村にだけ咲く花があってね。その花を一緒に見たカップルは、一生一緒に暮らせるんだよ。』
『え、そうなんですか?』
『そうさ。だからあの花は恋のお守りとしても有名なんだよ。名前入りのブローチを贈るのは、恋人への愛の証なのさ。』


 きっと彼の事だからそんな習慣も伝説も知らずに村の人たちのススメでそうしたのだろう。
 でも、この行動がコイだろうとそうでなかろうと。
 伝説通りなのは、変わりない。
 だから村に戻ったら。
 ボクもあなたの為に名前を彫ろう。
 とびきり綺麗な、あの花に。
 一番素敵な、あなたの名前を。
 

スポンサーサイト


TB(0) | CO(0) *Edit

~ Comment ~

管理者のみ表示。 | 非公開コメント投稿可能です。

~ Trackback ~

トラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 ◆Home  ◆作品*  ◆All  ◆通常ブログ画面  ▲PageTop