月草雑記帳

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蛍雪降る御魂の祭り


超・電王&侍戦隊捏造 蛍雪降る御魂の祭り その十四


こんばんは。拍手ぱちぱちありがとうございます。
今日もバイトでした。意味なく噛まれたりひっかかれたり叩かれたりするんですけど叱った方がいいんでしょうか。なんていうか、怒る気分になれないんですよねー。時と場合にもよるけど。
相手の為にはきちんと叱った方が良い気はするけど…どうしたものか。
あ、相手は子供です。日常茶飯事です。


というわけで今日も頑張りました←?
なのでデンライナー発動します。うーん…これでいいのか私。


まあとりあえず、この捏造の一番根っこの部分のお話がとうとう書けました!!







「超・仮面ライダー電王&侍戦隊シンケンジャー 蛍雪降る御魂の祭り」 その十四


「この木を知っているの?」
「ああ。み」
「う、噂で聞いたんです!」
 薫の口をふさぎながら茉子が言う。
「この木について、教えてもらえませんか?」
 茉子の真剣な瞳に、長は少し考えて口を開いた。
「とにかく、家の中に入れ。話はそれからだ。」
 そのまま家の中へと入っていく。
「…姫。」
「ああ。過去を知ることは今を知ることだ。全ての言葉を記憶しろ。」
「…記憶ってのは、時間なんだよな。」
 幸太郎が誰にともなく呟いた。
「なんだよ今更。それくらい俺だって知ってらぁ。」
「俺も、ちゃーんとわかってる。」
「…なんでもないよ、モモタロス。デネブ。行こうぜ。」
 幸太郎が長に続いて家の中に入る。
 幸太郎に続き、モモタロス達には低すぎる扉をくぐる。
「お茶は飲めるか?」
「おう。」
「あ、どうも、ご丁寧に。」
 それぞれがお茶を受け取り、囲炉裏の周りに座る。
 その様子を見届け、窓から大木を見ながら、長はゆっくりと口を開いた。


- - -


「案外…あっけなかったな。」
 変身を解いた侑斗が呟く。
「弱いのは仕方がない…。アレは結界内に他の分身を送る為に必要だったからな。」
 上から声が聞こえ、全員が上を見た。
「やはり…この木が。」
「シンケンジャーか。風の噂に聞いている。」
「お前…アヤカシ…なのか?」
 源太の問いに、木が笑ったような気がした。
「私をそのようなものと同じと見るか。」
「え、でもお前、イマジンじゃないじゃん。」
 リュウタロスの声に木が答える。
「いかにも。アヤカシ達の方が私に近い。だが、私はアヤカシとは少し、違う。」
「ならばなんだ?外道衆ではないのか?」
「外道?馬鹿を言うな。私はこの上無く正しき者だ。」
「自分でそんな事言う奴、信用できるわけないと思うけど?」
 ウラタロスの言葉にゼロノスが何か言いたげにウラタロスを見たが、何も言わずに視線を移動した。
「その通りだ!殿をどこにやったのか、さっさと説明を」
「じゃあお前、なんなんだ?聞いてやるから言ってみろよ。」
 流ノ介をおさえて、源太が問う。
「そうだな…冥途の土産に教えてやろう。私は、元々人間だった。」
「人間って…お前どう見ても木じゃん!」
「それに人間が怪物になるって…アリなワケ?」
「いや、前にもそういう奴等はいたからおかしくはないけど…。」
「はぐれ外道衆というわけか?」
 その言葉を聞き、大木は高らかに笑った。
「な!何がおかしい!」
「全く人間というのは…どうしても何かに分類したくて仕方がないのだな…。」
「…いいからとっとと話せ。俺はそんなに気が長くない。」
 イライラとした侑斗の声が響く。
「そうだな…人間の寿命を考えていなかった。手短に話してやろう。私は、昔、此処に住んでいた人間だった。」
 その声に抑揚はなく、感情も感じられなかった。


- - -


「あの木は、昔からあるご神木だ。僕が小さいころからほとんど変わらない姿でそこに在る。そして、僕の父でもある。」
 最後の言葉に、五人の頭に「?」が浮かんだ。
「どう言う意味だよ。」
「…少し、言葉が足りなかったかな。正確には、僕の父の墓標であり、僕の父が宿る場所でもある。」
「…長。父親は…死んだのか?」
「…もう、ずいぶんと前の話になる…。」
 お茶を一口すすり、長は話を続けた。
「数年前に、この村を吹雪が襲った。それはそれは長い冬で…僕は出稼ぎ先から無理に帰ろうとして、裏山で立ち往生していた。もう駄目だと覚悟した時、吹雪が止み、僕は村に帰ることができた。しかし、村に帰って初めて見たものは…変わり果てた父の姿だった。」
「…村は、無事だったのではないのか?」
「ああ。聞けば父は、僕が死んだと思いこみ、吹雪を止める為に自らあの木に首を吊ったらしい。」
 あの木、と言った時、長は寂しそうに窓の外を眺めた。
「あと少し、僕が帰るのが早ければ父さんは死なずにすんだのか、出稼ぎ先に居座り連絡を取っていればと思うと、今でもまだ、辛くて仕方がない。」
「…なんかわかんねえけど親とかって、そういう事するんだよな。」
 幸太郎がぼそりと呟いた。
「自分を犠牲にして、喜ぶと思ってるんだぜ、きっと。」
「…そうではないな。」
 薫が断言する。
「親と言うのは、自分がどうあっても子どもに生きてほしいと願うものだ。違うか?茉子。」
「…そう、だと思うわ。」
「…それは…わかってるよ。」
「なんか、難しい話しになってんな。」
「うん。でも、俺はわかる。」
「な、おデブ、なんだその見下した感じは!」
「ええっ!ち、違うんだモモちゃん!」
 しばらく黙って会話を聞いていた長は、やがて噴き出して笑いだした。


- - -


「…もしかしなくても、やっぱり、あの吹雪の時の生贄っていう…。」
「そうだ。私は吹雪をおさめる為、自ら死を選び、村を救った英雄だ。…私の死後に息子が生きて戻ろうとは、想像もしなかったがな。」
 源太の声にさらりと答えられ、総員は息をのんだ。
「首を吊って犠牲になったと言う父親か…。」
「でもさ、それは祭ってもらってるんじゃなかったっけ?」
 ウラタロスが首を傾げる。
「それで話は終わっていなかったのか。」
「違う。」
「…何?」
 ざわざわと、風もないのに木の葉が揺れる。
「確かにそう約束した。子孫代々祭り続けると…。息子の誓いだ。私も祟りなど考えず、ただただそれを受け入れてきた。何百年も、ずっと…。だが、今年は…誰も私の為に祈ってはくれぬ。皆が私を…忘れている。私を、私を、忘れている…!!私を誇らぬ、私に、何も言わぬ!」
 その言葉に表情を歪めた侑斗は、黙って大木をにらみ続けた。


- - -


「僕も、君達が言ったようなことはずっと考えてた。いろんな人に言われたさ。親は、子どもが生きてれば幸せだって。でも、そっちの彼の言うとおりだ。」
 幸太郎を見て、長は続けた。
「子どもだって、親が生きていれば幸せだ。君はそう言いたいんじゃないか?」
 幸太郎は少し顔を赤くして、何か言いたそうにした後、僅かに頷いた。
「そうだよ。」
「…それも、わかるなぁ。」
 茉子が微笑む。
「あたしも、お父さんとお母さんと一緒に暮らせなかったから。一緒にいることがどれだけ嬉しいかは知ってるよ。でも、それ以上に、遠く離れていたってお互いがお互いを想っていれば大丈夫ってこともわかってるつもり。」
「お互いがお互いを、か。茉子、良い事を言うな。」
「ああ…侑斗、元気にやってるかな…。」
「アイツは大丈夫だろ。」
「そうそう。じいちゃんの方が心配って言うか…まあ、テディがいるから大丈夫だと思うけど。」
「幸太郎…お前って心配症だよな。」
「なんだよ!モモタロスだって」
「すまないが、あまり騒いでくれるな。村人が心配する。」
 たん、と長が湯飲みを置く。
「ああ、すまぬ。それで、英雄の息子は奇跡の子なのか。」
 覚えていたのか、と長が苦笑した。
「そんなところだ。まあ、僕にはなんの力もないけど、一個だけ、決めている事がある。」
 そういうと長は新しくお茶を入れ、おもむろに外に出た。
 薫達も後に続く。
 長は大木の前でしばらく黙祷した後、お茶を根元に注いだ。
「僕はこの村で生き続ける。子孫を残し、父さんであるこの木の事を伝え続ける。そして、ずっと自慢する。ずっと、父さんの冥福を祈りつづける。何百年たっても。それくらいしか、僕にはできないから。」


- - -


「約束を違い、私を忘れる子孫など…要らぬ。」
「…成程って感じだな。」
 源太が大げさにため息をついて見せる。
「でもさ、たった一回なんでしょ?」
「…たった、だと?」
 どん、と巨大な枝が落ちてくる。
「うわ。」
「リュウタ。変に刺激しない…って、もう手遅れみたいだけど。」
「復讐しなければ…我が子孫に…天罰を!!」
 大量の葉が落ちてくる。条件反射でそれを下がって避けて、流ノ介はショドウフォンを握った。
「そちらの事情はわかった…!だが、だからと言って殿を連れ去るのはお門違いだ!」
「…お前の言う事はさっぱりわからない…どうしてこれ以上…私を怒らせる…!!」
「…流ノ介、これ以上刺激すんなって、聞いてなかったのか?」
「う、うるさい!殿についての情報が…それに、ことはも心配だ。」
「でも、もう話を聞いてもらえそうな雰囲気じゃないよねぇ。」
 ウラタロスがやれやれと首を振った。
「おい!ことは達が連れて行かれたあの隙間は」
 ごう、と大きな音がして、思わず耳をふさぐ。
「私を…私を…私の事を!!」
 風のような音の中に、大木の唸りだけが聞き取れた。


- - -


「…時間って言うのは、記憶なんだ。」
 幸太郎の言葉に、薫が首を傾げた。
「先ほども同じことを言っていたな。」
「そう。人の記憶が積って、時間になる。人が忘れなきゃ、時間はなくならない。なくなる事は無い。だから、えっと…。」
 幸太郎は口ごもり、モモタロスとデネブを見るが、二人はそれぞれ知らん顔をした。
「だから?」
「だから…アンタのその覚悟は、正しいと思う。うまく言えないけど…忘れない限り、アンタの父さんは、ずっと、生きてるっていうか…。」
「そうだな。私の父上も、私の中にきちんと生きている。会った事は無くても。」
 薫がそっと胸に手を当てる。
「…うん。私も、会えない間も、お父さんもお母さんも此処にいてくれた。」
 茉子も同じように手を当て、笑った。
「…ありがとう。」
 長は五人に向きなおり、にっこりと笑って見せた。
「頑張るよ。何百年でも。決して父さんを、忘れない。」


- - -


 ざわざわという葉音が大きくなり、自分の声も聞こえづらい。
「…ならば、一つだけ教えてくれ!お前が外道に堕ちた者だとして…何故此処にいられる!?」
「私の根は三途の川まで届いている。…私は、お前達に興味がない。早く立ち去れ。そして二度と近寄るな。」
 その言葉を最後に、突然強い風が吹いた。
 大量の木の葉が舞い、渦となって大木を包む。
 その渦の中に飛び込めるものなど、誰もいなかった。





ーーーーー
というわけで。
大もとになったお話、完了です。
幸太郎が口下手で助かりました。私も言いたいことがうまく文字にならなかったので。
なにか、伝わるものがあればいいなあと思いつつ。
さて、そろそろ収束に向かって走り出しませう。
蛍雪降る御魂の祭りは、まだまだ終わりません。

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