月草雑記帳

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竹華


竹華 「復讐」血塗られし妖刀


趣味は妄想ですリオンです。
妄想で24時間軽いです。嗚呼、また無駄な週末を過ごしてしまった…
だって予想以上に楽しかったんだもの!!←一応捏造の設定を考えていた。それで約48時間終わったんだから大したもんだ。
なんか大がかりなものできたのでぜひ活用したいところです。うん、できるのかなあ?


さて、今日は投票してくださった方のリクエストにお答えして「竹華」です。
どのカテゴリに入れるか悩んだんですが「復讐」にしてみました。十臓が侍に近いかどうかわかんないけど。
そしてリクエストにこたえられてるのかどうか凄く不安ですが。
一応「節度」の裏側です。まあ読んでいただけたらわかりますかね?どのあたりの話かは。
よかったらこの機会に読みなおしてみればどうでしょうvすみません冗談です。
まあ明るい話ではないですが。
よろしければどうぞです。



「血塗られし妖刀」

 
 真っ赤な月が見えた。
 血の様な赤い、怪しい程に丸い月。
 自分の部屋から独り眺めるその月はなんだかとても恐ろしくて。
「お前は、随分と歪だな。」
 不意に思い出した。みつばと一緒に天幻寺に行ったときのこと。
 縫い物をしているみつばを待つ時間が暇で、小雨の中、一人遊んでいた時の事だ。
 顔はよく見えなかったが、ボロボロの服を着た、背の高い男がそう言った。
「やりたくもない使命を課せられ、本能を抑えている。お前は、歪だ。」
 男の足元には、小さな石の塚がある。
「いびつ…?」
 すっと男は腰の刀に手をかけると、それを抜いた。
 すらりとして、ギザギザのついた刀身がまるで三日月のように鈍く赤く光る。


 何の躊躇いもなく、男はそれを振り下ろした。


 丈瑠は間一髪でそれを避けると、咄嗟に木の枝を拾い、構えた。
「…お前は歪だ。だが、だからこそ強くなれる。」
 男が刀を鞘におさめ、右手をのばした。
「俺と来い。」
 その手は近く、簡単に手が届きそうで、恐ろしくも、何処か物悲しいその刀をもっと見たい気がして―――
 丈瑠は無意識のうちに枝から手を放した。


「丈瑠様!」
 どんな音楽よりも心地よいその声が聞こえ、丈瑠は伸ばしかけていた手を止めた。
「丈瑠様!」
「…みつば?」
 我にかえり、警戒態勢を取った丈瑠に男も右手を引いた。
「邪魔が入ったな。だが、お前はもっと強くなれ。そして…俺と、戦え。」
 くるりと背を向け、そのまま男は姿を消した。
「みつば…。」
 そのままみつばにしがみついた。
 怖かった。
「丈瑠様。」
 みつばがホッとしたように笑っていて。
 そして完成したばかりの御守りを、そっと胸にかけてくれた。


 今は、みつばはもう近くにいない。
 空を見上げれば、恐ろしいほど赤い満月。
 地を見下げれば、悲しいほど小さな自分。


「おお、殿。ただいま戻りました。」
「…御苦労。」
 そう呟いた丈瑠を彦馬はしばらく見ていたが、やがて芝居がかった動作で手をうった。
「お、そうだそうだ。そろそろ谷家に手紙を書かねばな。」
「…手紙?」
「お会いする訳にはいかないが言いたいことがある時はこれが一番。さて、紙と筆を」
 その声にしばらくぽかんとしていた丈瑠の顔に明るい表情が浮かぶ。
「ジイ!俺も、手紙書いていい!?」
「もちろん。構いませんぞ。」
 久しぶりに見る笑顔に、彦馬はゆっくりと息をはいた。
「谷家にはなんて書くんだ?」
「ああ、殿はご存知ありませんでしたかな。姫とお方様の世話役として、谷家のものが付いておるのですよ。」
「へえ。そうなんだ。」
 手紙。
 あまり書いた事が無いけれど、一体何を書こうか。
 言いたい言葉はたくさんある。
 伝えたい言葉はたくさんある。
 だけど自分は当主なのだから。
「あんまり情けない事は書けないなぁ…」
 ふと、目に入ったのは、黒子がくれたミカン。
「…あぶりだし…。」
 僅かな希望を胸に、もらった紙と筆を手に取った。




 あの時自分を止めてくれた声は近くに居ない。
 優しく抱きとめてくれた人はもう遠い。
 だけど。
 もう自分は絶対に、堕ちたりしない。
 自分を、当主と信じてくれている人がいる限り。
 自分を、好きでいてくれる人がいる限り。
 もうあんな声に、耳を傾けたりはしない。

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